Posted by 広告営業第一部 シニアアカウントマネージャー 西村 多聞


京都市南区に本社を置く大手通信販売会社ニッセン。インターネット・カタログ通信販売を展開する同社は、近年インターネットによる販売に力を入れており、2010 年の売上見込み全体のうち約半分がインターネット経由(※1)となっています。また、インターネット販売のうち 30% 弱がモバイル経由(※1)と、モバイルからの売上も好調に推移しています。これらインターネットを介した販売プロモーション戦略に携わる、株式会社ニッセン マーケティング本部 WEB マーケティング部 SEM チーム マネージャー 遠藤 昌宣氏に、AdWords の活用方法、特にモバイル広告についてお話を伺いました。


認知前の「ぶらり検索」を対象にディスプレイ ネットワークを活用
「弊社では、検索連動型広告はもちろん、コンテンツ ターゲットを使って Google のディスプレイ ネットワークにも広告を配信しています。一般的にディスプレイ ネットワークへの配信は既にニーズが発生している顕在層よりも購買ファネルではさらに前の段階の層、つまり潜在顧客層に有効とされていますが、我々の場合は認知に至る前の”ぶらり検索”層にもリーチしたいと考えています。」(遠藤氏)


同社では、全体予算が伸張する中でもディスプレイ ネットワークへの予算配分は08 年上期が全体予算の 6% であったのに対し、09 年下期は全体予算の 15% と、ディスプレイ ネットワークを通したユーザーとの接点づくりに力を入れています。


また、ニッセンが費用対効果高くユーザーをコンバージョンへ結びつけている理由の 1 つに、AdWords の緻密な運用を挙げることができます。数十万のキーワードを 15 カテゴリーに区分、各カテゴリーをさらに 50 グルーピングして運用し、それぞれに対応した広告やランディングページを複数設定しています。掲載順位軸と獲得単価軸で運用方針を検証/判断し、投下コストや掲載順位の調整を綿密に実行しています。

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「効果検証はあくまでも ROI を重視しています。これはコンテンツ ターゲットも同様です。ポストインプレッションは検証対象とはせず、純粋なコンバージョンで判断しています。」(遠藤氏)

モバイルから購入する層が確実にシェアを占めると予測
積極的にモバイル広告を活用し、ユーザーとの接点を確保
これら AdWords の運用は、PC 向けの広告だけにとどまりません。同社では、モバイルも PC と同様新たな顧客との接点を生み出し、コンバージョンへ結びつけるための手段であるとして積極的にモバイル広告を活用しています。

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「メインターゲットである 20 代から 40 代女性は、気軽にモバイルを使う層です。そのため、Google のモバイル ディスプレイ ネットワークからこれらのターゲット顧客が集まる大規模な SNS サイトやコミュニティサイトをはじめとし、特定カテゴリー(浴衣やアクセサリーなど)に特化したモバイルサイトなどにも配信しています。」(遠藤氏)

さらにスマートフォン所有者が増加している現在の動向も重要な商機として着目し、通常のモバイルサイト用コンテンツだけではなく、スマートフォン用のコンテンツに加え、iPad 向けカタログアプリも立ち上げています。

モバイル通信販売市場全体における販売額の前年伸長率が約 115% (※2)であるのに対し、同社の AdWords 経由での売上はそれを大きく上回り、150% 前後で推移しています。

PDCA サイクルをスピーディに回し、綿密な運用を実施する
遠藤氏は、モバイル広告運用にあたってのキーポイントとして、以下の点を挙げています。
  • 検索連動型広告、コンテンツ ターゲットとも PC と同様重視し、キーワードの発掘や、配信したいサイトのテーマ設定を行う。
  • 週次でキャンペーン結果を検証しすぐに対応策を検討する。ディスプレイ ネットワークでも露出量ではなくCPA を KPI とし、筋肉質な運用を心がけるなど、PC と同様綿密な運用を徹底的に実施する。
「モバイル広告は PC 向け広告よりも優先順位を下げがちですが、テスト的に実施するのではなく、適切な予算を投下し、PC と同様の規模で実施することが重要だと思います。」
「従来型端末向けの施策はもちろん、今後はスマートフォン向けにも様々な販促手段を検討していきたいと思います。」
株式会社ニッセン
マーケティング本部
WEBマーケティング部 SEMチーム
マネージャー 遠藤 昌宣氏

※1 ニッセンホールディングス 2010/02/28 決算説明会資料より 2010 年見込み
※2 富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2009-2010」より 2010 年見込み


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