2013年3月29日金曜日

エンハンスト キャンペーンの運用に役立つ新しい ValueTrack パラメータのご紹介: キーワード単位の URL をデバイスごとに変える方法について

Posted by 第一広告営業本部 広告代理店営業チーム 高田愛美

同一のユーザーが様々なデバイス間を行き来するマルチスクリーンの世界では、ユーザーの置かれた状況(地域、時間帯、デバイス)に合わせて広告を掲載することが重要です。Google では、ユーザーの状況に応じて効果的に広告戦略を展開できるよう、エンハンスト キャンペーンをリリース致しました。

エンハンスト キャンペーンでは、広告を「モバイル用」と「タブレット・PC 用」に分けることで、デバイスによってメッセージやリンク先を変えることができます。そしてこの度、キーワードごとにリンク先 URL を設定している皆様の声にお応えし、ValueTrack に新機能を追加することになりました。

ValueTrack とは、ユーザーのデバイスなど広告掲載時の状況によってリンク先 URL を自動的に変更する機能です。下記の操作が可能となるため、エンハンスト キャンペーンでのコンバージョン促進や ROI 改善に役立てることができます。

1. キーワードごとに URL を設定している場合もデバイスによって誘導先を変えることができます。
2. デバイスごとにキャンペーンの効果を測定できます。

新機能のご紹介

ValueTrack の機能の 1 つに、デバイスによって URL を変える機能があります。

それを可能にするパラメータとして {ifnotmobile:[値]} が新たに追加されました。 [値] 内を任意の文字列に置き換え、URL に挿入しておきます。ユーザーがコンピュータまたはタブレットで広告をクリックすると、挿入したパラメータ部分がその文字列に置き換わる仕組みです。

また、これまでの ValueTrack パラメータ {ifmobile:[値]} にも改良を加えました。今後は、ユーザーがスマートフォンや従来型携帯端末からクリックしたときにのみ、指定した文字列が URL に追加されるようになります。

{ifmobile} ... スマートフォンや従来型携帯端末での広告表示時に発動するパラメータ
{ifnotmobile} ... PC やタブレットでの広告表示時に発動するパラメータ

以下に、ifmobileifnotmobile の機能を活用してユーザーをデバイスごとのリンク先ページに誘導する方法と、デバイスごとに掲載結果を測定する方法についてご説明します。

例 1. デバイスごとのリンク先ページに誘導する方法

Google では、同一の URL で複数のデバイスに対応する Responsive web design (英語記事)のご利用をお勧めしていますが、デバイスごとに異なるリンク先 URL を設定したい広告主様には、2  つの方法を用意しています。

1 つ目は、モバイル用の広告と PC ・タブレット用の広告と分けて作成する方法です。リンク先 URL を広告単位でのみ設定している場合は、この方法でユーザーを適切なリンク先に誘導できます。

2 つ 目が、今回ご紹介している ifmobileifnotmobile パラメータです。これは、キーワードごとにリンク先 URL を設定している広告主様を対象とした機能です。

もし ifmobile を既に使用しているようであれば、今後はタブレットからのクリックでは URL に値が追加されなくなる点にご注意ください。今後は、新しい ifnotmobile パラメータがタブレットやデスクトップに対応し、ifmobile はスマートフォンや従来型携帯端末のみに対応するようになります。

例えば モバイルで「カメラ」と検索したユーザーを "m.example.com/camera”、デスクトップ やタブレット で検索したユーザーを “www.example.com/camera” に誘導したい場合、キーワード「カメラ」に対するリンク先を以下のように設定します。

    {ifmobile:m}{ifnotmobile:www}.example.com/camera



例 2. デバイスごとに掲載結果を測定する方法

デバイスごとに掲載結果を測定する場合、device パラメータをお使いいただけます。device パラメータを使用すると、ユーザーが利用したデバイスによって、モバイルは [m]、タブレットは [t]、デスクトップやラップトップは [c] が、リンク先 URL に挿入されます。

たとえば下記のように設定した場合、実際の URL はそれぞれ、
www.example.com/camera?d={device}
モバイルからクリックされた場合: www.example.com/camera?d=m
タブレットからクリックされた場合: www.example.com/camera?d=t
デスクトップやラップトップからクリックされた場合: www.example.com/camera?d=c
となります。

また、社内トラッキング  システムで、既にデバイス毎に ID が割り振られている場合は ifmobileifnotmobile パラメータを使用します。

先ほどのカメラの例について、デスクトップには [df32]、モバイルには [df33] という社内 ID が設定されているとしましょう。キーワード単位のリンク先 URL を以下のように設定します。
www.example.com/camera?kwid={ifnotmobile:df32}{ifmobile:df33}
すると、ユーザーがデスクトップまたはタブレットからクリックした場合のリンク先 URL は
www.example.com/camera?kwid=df32 となり、
モバイルからクリックした場合は
www.example.com/camera?kwid=df33 となります。

成功事例

エンハンスト キャンペーンに移行された広告主様からは、成果が上がったとのご報告を数多く頂いています。アランスの VivaStreet は世界 4 位の無料オンライン求人サイトですが、リリース後 2 週間で全キャンペーンをアップグレードしました。モバイル入札単価を 25% 上げたところ、コンバージョンが 34% 上昇しました。この結果を見て、同社はモバイル入札単価を 40% 上げました。ValueTrack パラメータを使用することで、ユーザーをデバイスごとのコンテンツに誘導し、コンバージョンへの影響を測定することができます。

エンハンスト キャンペーンについてご理解いただけるウェビナー(オンラインのセミナー)も引き続き開催しておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。

2013年3月27日水曜日

AdWords スクリプトの新機能 - レポート、除外キーワードなど

Posted by Ryuichi Hoshi, AdWords API Team

AdWords スクリプトは、JavaScript でアカウントを管理できる便利なツールです。皆様からのフィードバックをもとに、多くの新機能を導入しました 。
  • AWQL(英語記事、以下同様)を使用し、AdWords API のレポートを取得できるようになりました。これにより、通常の読み込み制限を超えた、大量の統計情報と表示項目を取得できるようになります。
  • キャンペーン、広告グループへ除外キーワードを設定できるようになりました。
  • ほとんどの AdWords のオブジェクトで ID が取得可能になりました。レポートの統計情報から簡単にオブジェクトを指定し、変更へと結びつけることができます。
  • 実行環境現在のアカウントに関する新しい情報を取得できるようになりました。これにより、スクリプトがプレビュー モードで実行されているかどうか、また現在のアカウントでどの通貨を利用しているか、といった情報を取得できるようになります。
  • 制限が変更され、1 つのスクリプトあたり 25 万オブジェクトまで処理可能になりました。
これらの新しい機能により、AdWords スクリプトは、AdWords のアカウントを管理するためのより便利なツールとなりました。

詳しい情報は、こちらのドキュメント(英語)をご覧ください。他の開発者の皆様と情報を共有したり、アドバイスを受ける場として、フォーラム(英語)もぜひご覧ください。

2013年3月21日木曜日

エンハンスト キャンペーン: 地域ごとの入札単価調整を活用し、店舗付近のユーザーに効果的にアプローチ

Posted by Smita Hashim - グループ プロダクト マネージャー

AdWords ではこれまでも、広告を掲載する地域を指定するターゲット地域設定、そして店舗の住所を広告に追加表示する住所指定オプションを通じて、実店舗型のビジネスを効果的に宣伝する手段を提供してきました。そしてこのたびエンハンスト キャンペーンでは、この 2 つの機能を組み合わせ、住所指定オプションの住所をターゲット地域として選べるようになりました。

店舗の近くにいるユーザーへのアプローチが簡単に

新しく登場したターゲット地域設定の新機能を利用すると、設定済みの住所指定オプションを、そのままキャンペーンのターゲット地域としても使用することができます。ターゲット地域の設定画面で [住所指定オプションの掲載対象設定] を選んで半径を指定すると、住所指定オプションで登録した住所から一定距離内を、広告掲載対象として指定することができます。手順については、ヘルプ センターでもご紹介しています。


住所指定オプションの掲載対象設定

このように指定した地域に対して、入札単価調整を適用することも可能です。たとえば店舗の近くにいるユーザーに対して入札単価を引き上げれば、来客数の増加や売り上げの向上が見込めます。
例 1: 全国 80 か所の店舗を抱えるある小売店ではこれまで、日本全国に広告を配信しつつ、店舗付近のユーザーに対しては住所指定オプションを通じて店舗の場所を強調してきました。そして今回、店舗付近で検索しているユーザーへの広告表示をさらに増やすため、[住所指定オプションの半径 2.0 キロメートル] という地域を追加し、入札単価を +25% 引き上げました。

住所指定オプションのターゲットに対する入札単価調整の設定

地域に基づく入札単価調整の活用方法

以前にも本ブログでご紹介した通り、エンハンスト キャンペーンでは、キャンペーンを 1 つ作成するだけで地域に応じて入札単価を細かく調整することができます。

エンハンスト キャンペーンに移行すると、[設定] タブ内に新しく [地域] タブが追加されます。ここで該当の地域の [入札単価調整比] 欄をクリックすると、入札単価の引き上げ率や引き下げ率を設定することができます。AdWords Editor の最新バージョンも、地域に基づく入札単価調整に対応しています。

幅広い地域に広告を掲載しつつ、一部の地域で入札単価調整機能を活用すれば、広告の表示機会を十分に確保しつつも効率よく見込み顧客にメッセージを届けることができます。本ブログの後半では、地域に基づく入札単価調整機能の活用のヒントをご紹介します。


地域に基づく入札単価調整の設定

[地域] タブでは、下記の手順でコンバージョンにつながっている地域などを確認し、入札単価の調整に活かすことができます。
  1. [地域の詳細] ボタンをクリックして、[広告表示につながった地域名] を選択します。
  2. クリック率やコンバージョン数、平均クリック単価などのデータをご確認ください。
    [表示] ボタンをクリックして「国ごと」「市区郡ごと」など表示の単位を切り替えたり、フィルタ機能を用いてデータを絞り込んだりすることもできます。
  3.  新たにターゲットとして追加したい地域があれば、その横にチェックを入れます。
  4. [ターゲットを追加して入札単価調整を設定] ボタンをクリックします。
広告主様によっては、地域によって顧客単価や営業コストが異なる場合もあるでしょう。そのようなデータと AdWords のデータを組み合わせると、さらに効果的に入札単価調整機能を活用することができます。
例 2: 商業施設の維持管理会社では、名古屋本社の周辺 20 km をターゲットに設定しています。本社の周辺 8 km 圏内の顧客の場合は諸経費が 20% 安く済むことがわかっているため、8 km 圏内で検索するユーザーに対して入札単価を 20% 引き上げ、収益性の向上をはかっています。

例 3: ある金融サービス会社では、顧客 1 人あたりの広告費用を、平均生涯価値の 8 分の 1 以内におさめたいと考えています。そのため、独自に割り出した都市ごとの顧客の平均生涯価値と、顧客 1 人の獲得にかかった AdWords の広告費用とを比較することにしました。
都市顧客 1 人あたりの平均生涯価値顧客 1 人あたりの平均広告費用広告費用に対する収益率目標(広告投資収益率 8.0)の達成度入札単価調整
東京75,000 円7,500 円10.00125%+20%
名古屋42,000 円7,000 円6.0075%-20%
大阪54,000 円6,000 円9.00113%+10%
そして上記の表の通り、広告投資収益率が目標を下回っている都市で入札単価を引き下げ、目標を上回っている都市で入札単価を引き上げました。数週間後に再び最新データを確認し、必要に応じて修正を加える予定です。
入札単価は、広告の掲載結果を左右する重要な要素の 1 つです。定期的に掲載結果を確認し、入札単価を調整することをおすすめします。ターゲット地域に関するその他のヒントもあわせてご覧ください。

Google では、地域に関するデータや機能を、皆様の広告の掲載結果向上に役立てていただきたいと考えております。本日ご紹介した新しい機能をぜひ、さらなる集客や収益性の向上にご活用ください。

2013年3月13日水曜日

AdWords API ワークショップのご案内

Posted by Ryuichi Hoshi, AdWords API Team

Ads Developers Relations チームより、AdWords API ワークショップのご案内をいたします。このワークショップでは、v201302 API で導入された新しい機能、更新情報、ベスト プラクティスなどをご紹介したいと思います。

AdWords API の開発者の皆様は、ぜひご参加ください。
(他国での開催予定につきましては、こちらのブログをご確認ください)
  • 日時: 4 月 12 日(金)15:00 - 19:00(日本時間)
  • 場所: グーグル株式会社 東京オフィス(六本木ヒルズ森タワー 27 階)
ワークショップでは、以下のトピックについてお話します。これらの技術的なトピックに加え、AdWords API チームから担当者を迎え、皆様からの API に関する質問にお答えしたいと思います。最後に、Q&A を含めたパネル セッションを開催いたします。

主なトピック:
  • AdWords API の最新情報
  • エンハンスト キャンペーンと新しい広告設定オプション
  • レポート機能の更新情報
  • AdWords API の新しい入札設定と予算管理
  • アカウントのパフォーマンス管理と最適化(レポーティング フレームワーク Kratu の紹介)
なお、本イベントは、AdWords API 開発者トークンを既にお持ちの開発者向けとなっております。各セッションは、コード例や、その他 AdWords API に関する技術的な内容となります。

参加ご希望の方は、こちらのサイト(英語)より、ご登録をお願いします。
(応募多数の場合は、抽選となる場合がありますので、ご了承ください。)

2013年3月6日水曜日

AdWords API v201302 リリースのお知らせ

Posted by 萩倉 健支 AdWords API チーム

AdWords API の新しいバージョン v201302 がリリースされました(英語、以下同様)。この API 最新バージョンでは、AdWords エンハンスト キャンペーンのサポートをはじめ、さまざまな新機能が追加されます。

v201302 の主な内容は次のとおりです。
  • エンハンスト  キャンペーンのネイティブ サポートに伴うキャンペーン サービスの変更
    Campaign オブジェクトに enhanced フィールドを追加しました。
  • AdGroupAdService の変更、モバイル優先広告の設定が可能に
    モバイル優先広告を設定できるよう、Ad オブジェクトに devicePreference フィールドを追加しました。
  • 広告設定オプションの管理方法を改良
    エンハンスト キャンペーンに対応する広告設定オプションFeedServices を使って作成できるようになりました。
  • 新しい入札設定
    広告グループや条件入札の設定に関して、より柔軟な仕組みを導入いたしました。入札の管理が簡単になります。
  • クライアント センター (MCC)でのクライアント アカウント リンクの管理が API から可能に
    ManagedCustomerService に新しいメソッドを追加しました。MCC アカウントへの招待、招待の受諾、既存リンクの取り消し、MCC 間でのリンクの移動が API から可能になります。
  • ディスプレイ ネットワークでの新しい入札機能への対応
    AdGroup オブジェクトの変更により、これまでのように固定の入札単価の優先順位に依存するのではなく、ディスプレイ ネットワークで contentBidCriterionTypeGroup を使用して、個別の入札単価を設定できるようになりました。どの Criterion の入札額が使用されるかが明示的に設定できるようになります。
  • 新しいレポート
    PLACEMENT_PERFORMANCE_REPORT など、各種レポートが新たに追加されました。詳しくは、レポートに関するドキュメントを参照してください。
  • TargetingIdeaService と TrafficEstimatorService の機能拡張
    NetworkSearchParameter を使ってネットワーク別にフィルターできる機能を追加すると共に、TargetingIdeaService に新しい統計情報 AVERAGE_CPC を追加しました。キーワードの StatsEstimates には、TrafficEstimatorService 用の 2 つの新たな属性、impressionsPerDay と clickThroughRate が含まれます。
v201302 のリリースに伴い、v201209 バージョンは 2013 年 7 月 1 日 2013 年 7 月 22 日を(こちらのブログ記事の通り変更になりました)もって廃止されます。AdWords API の廃止スケジュールについては、こちらのページをご参照ください。

また、今後、AdWords API ワークショップを世界各地で開催し、パートナーやデベロッパーの皆さまに API 新バージョンのすべての変更点とベスト プラクティスをご説明する予定です。ワークショップの詳細や登録開始については近日中にお知らせいたします。

これまでの AdWords API 新バージョンのリリースと同様、リリース ノートに記載されている API のすべての変更点や v201302 移行ガイドをすべてお読みいただくようお願い申し上げます。また、アップデート版のクライアント ライブラリとコード サンプルを公開しました。ご質問がありましたら、AdWords API フォーラム(英語)でご質問いただくか、AdWords API Office Hours(日本語)でご質問をお寄せください。

2013 年 6 月 17 日追記:
v201209 バージョンの廃止日が、7 月 1 日から 7 月 22 日に延期されました。

2013年3月5日火曜日

エンハンスト キャンペーン : 単価調整機能とモバイル

Posted by Surojit Chatterjee、グループ プロダクト マネージャー

今日の消費者は常にインターネットに接続し、あらゆるデバイスで情報を探しています。消費者に的確な広告を届けるには、所在地や時間帯、使用しているデバイスなど、検索をしているユーザーの状況に合わせてアプローチ方法を調節することが重要です。エンハンスト キャンペーンでは、ユーザーの状況によって入札単価を調整することができます。
例: ある小売業者が、店舗の近くで「パーティ グッズ」と検索するユーザーに積極的にアプローチしたいと考えています。エンハンスト キャンペーンの入札単価調整機能を使用すると、たとえば店舗から 1 キロ以内で発生した検索では入札単価を 50% 引き上げる、平日は 20% 引き下げる、スマートフォンでは 25% 引き上げる、といった設定が可能です。
今回のブログでは、新しい単価設定機能とモバイル向けの入札単価調整についてご説明します。単価設定機能については、3 月 14 日に開催されるウェビナー(オンラインのセミナー)「エンハンストキャンペーン 新しい機能の詳細説明と操作方法」でもご紹介しますので、あわせてご参加ください。

入札単価調整
エンハンスト キャンペーンではまず、基本となるデフォルトの入札単価を設定します。続いて入札単価調整を通じ、ユーザーの状況に合わせて入札単価を増減するよう設定できます。顧客層に合致する時間帯や地域で高めの入札単価を設定すると、広告の掲載機会が増えて、来客数や売上の増加を見込めます。逆に、購入につながりにくい時間帯や地域、デバイスの入札単価を低めに設定すると、来客数自体は減る可能性もありますが、投資収益率を向上させることができます。

エンハンスト キャンペーンでは、デスクトップやノート パソコン、タブレットなど画面サイズの大きいデバイスの単価設定はひとまとめにして取り扱います。こうした画面の大きいデバイスを使用するユーザーの検索行動に大きな違いはなく、広告の総合的な掲載結果も大差ないことが判明しているからです。

複数の入札単価調整を設定している場合は、それらを掛け合わせた値が適用されます。地域をもとにした入札単価調整を複数設定している場合は、最も狭い地域の設定が使用されます。
例: 前述の小売店が、キーワード「パーティ グッズ」の上限クリック単価を 100 円に設定しているとしましょう。スマートフォン ユーザーが水曜日に店舗の近くで「パーティ グッズ」を検索した場合のクリック単価は、

100 円 : デフォルトの上限クリック単価
x
(100% + 50%) : 1 キロ圏内
x
(100% - 20%) : 平日
x
(100% + 25%) : スマートフォン
=
150 円

という計算式により、150 円となります。
AdWords 管理画面の計算ツールを使用すると、複数の入札単価調整を掛け合わせた入札単価を確認できます。





モバイル向けの入札単価調整を設定する
ユーザーは、スマートフォンでさまざまな操作を行います。モバイル サイトからオンラインで商品を購入することもあれば、店舗に電話をかけたり、運転ルートを確認して店舗まで出向いたり、あるいはアプリをダウンロードしたりすることもあるでしょう。スマートフォンで検索したユーザーが、最終的な購入を別のデバイスで行う場合も考えられます。しかし、従来のレポート機能では、ユーザーが複数のデバイスをまたいでたどった経路を確認することが難しく、モバイルの効果が過小評価される場合もありました。このため、さらに詳しい分析を通じてモバイルの効果の把握に努めているマーケティングの担当者も多いことでしょう。モバイル向けの単価設定や成果の測定手法については、大規模家電量販店 Radio Shack の事例紹介(PDF、英語のみ)をご覧ください。

エンハンスト キャンペーンでは、入札単価調整を通じ、モバイルでの広告掲載順位やクリック数、費用をコントロールすることができます。以下で入札単価調整の参考例をいくつかご紹介します。
  • オーストラリアの小売業界の広告主様は、モバイル向けの入札単価をデスクトップの平均 103% に設定しています。
  • アメリカの不動産業界の広告主様は、モバイル向けの入札単価をデスクトップの平均 91% に設定しています。
  • カナダの旅行業界の広告主様は、モバイル向けの入札単価をデスクトップの平均 88% に設定しています。
現在のキャンペーンをエンハンスト キャンペーンにアップグレードすると、モバイル向け入札単価調整の設定に応じて、見込まれる表示回数、クリック数、費用の変化を確認できます。入札単価調整の推奨値は、類似の広告主様が設定しているモバイル向けの入札単価をもとに算出されます。

入札単価は、キーワードや広告、広告設定オプション、リンク先ページとともに、広告の成果に影響する要素の一つです。入札単価調整を設定した後も、定期的に成果を測定し、キャンペーンの目標達成に向けた調整を行ってください。

ご意見、ご要望
エンハンスト キャンペーンに関してご意見、ご要望がございましたら、こちらのフォーム(英語)からお寄せください。今後のサービス改善に役立てさせていただきます。


2013年3月4日月曜日

商品リスト広告の最適化のすすめ方

Posted by Google ショッピングチーム

先日のブログにてのご案内の通り、 Google ショッピングの商用化モデルへの以降が日本でも始まりました。それに先立ち 2013 年 2 月 5 日(火)に行われました Google ショッピング オンラインセミナーには、多くの方にご参加いただき誠にありがとうございました。その際に皆様から頂戴したご質問を元に、セミナーの内容から商品リスト広告の最適化方法について改めてご説明します。

商品リスト広告の効果を最大化するためには下記の 5 つのステップに基づいたキャンペーン最適化をおすすめします。

1. Merchant Center のデータ品質とフィードのエラーを修正する
 商品情報を Google に送信していても、Merchant Center に登録する際にエラーが発生した商品アイテムは商品リスト広告に掲載されません。特に画像のクロールが妨げられている固有の ID が不足しているなどのエラーが多く見受けられますので、必ず定期的に Merchant Center の [データ品質] のページ*にアクセスして、エラーがないかの確認を行なってください。

また、一度アップロードしたデータフィードは一ヶ月で有効期限切れとなり表示が行われなくなります。Google では常に最新のデータを表示させるために毎日データフィードを更新することをおすすめしておりますが、前にアップロードしたものと全く同じ内容をアップロードしても問題はありません。

2013 年 3 月にはファッション関連商品を中心にフィードの必須項目の追加も予定されておりますので、合わせて必ずご確認ください。
*Merchant Center アカウントにログインした状態でクリックするとデータ品質ページに遷移します。

2. AdWords のプロモーションメッセージ
商品リスト広告では、店舗の特徴やキャンペーン情報などを記載するプロモーションメッセージを設定することができます。商品リスト広告キャンペーンの [広告] タブから設定を行い、広告グループ単位で設定されます。割引キャンペーンや送料無料などの情報は、データフィードの [商品名] 欄には含めることができない*ので、是非プロモーションメッセージでアピールを行なってください。設定されたプロモーションメッセージは現在のところ、Google の検索結果上では商品リスト広告と一緒に、ないしは商品画像にマウスオーバーした際に表示されます。
*ヘルプページ内、「関連性、明確性、正確性」のセクションをご覧ください。

3. AdWords の商品ターゲット設定
商品リスト広告では、すべての商品に同じ上限クリック単価を設定するだけではなく、特定の商品グループに対してより高い単価を設定してより多くの広告表示を促進するといった戦略的な単価設定が可能です。商品ターゲット設定を利用する場合は、データフィード内に登録した情報をもとに単価設定を行いますが、最もよよく用いられるのが「商品カテゴリ [product_type]」と「AdWords ラベル [adwords_labels]」です。

【AdWords ラベル [adwords labels] を利用した商品ターゲットの仕組み】


上記のように、Merchant Center で登録したフィード内の属性の情報に基づいて AdWords の商品ターゲットを設定することで個別の単価を設定します。一つの商品アイテムが複数の商品ターゲットにマッチする場合は最も単価の高い商品ターゲット設定から商品が掲載されます。

そのため、商品ターゲット設定に基づいて下記の通り商品アイテムの掲載が行われます。

すべてのサービス:ハイバックソファ、シンプルすのこベッド ダブル
adwords_labels=人気ソファ:四人がけカウチソファ
adwords_labels=人気ベッド:収納付きシングルベッド
adwords_labels=夏セール対象商品:二人掛けリクライニングソファ

また、ひとつの広告グループに複数の異なる商品ターゲットを設定することが可能ですので、異なる単価設定のために複数広告グループを作成する必要はありません。商品カテゴリや AdWords ラベルの値を網羅して商品ターゲットとして設定した場合でも、フィード側で新しい商品カテゴリや AdWords ラベルを追加した場合にはその商品が商品リスト広告の配信対象から漏れてしまうので、「すべてのサービス(すべての商品)」を対象とした商品ターゲットを最も低い上限クリック単価で設定してください。

4. 検索クエリレポートを使い、CPA が見合わないワードを除外キーワードとして設定する
商品リスト広告でも検索クエリレポートを利用することができます。商品リスト広告をクリックしたユーザーが検索ボックスに入力した単語のうち、ビジネスに関連性の低いものは除外キーワードとして設定することで今後の広告表示を制限することができます。

5. コンバージョン トラッキングのデータをもとにした戦略的な単価設定を行う
商品リスト広告でもコンバージョン トラッキングを利用できます。それぞれの商品ターゲットのコンバージョンのデータに基づいて、定期的に 3 で設定した単価設定の見直しを行いましょう。さらに詳細なトラッキングを行う場合は、 Merchant Center のフィード内の「adwords_redirect」属性または AdWords アカウントでの動的トラッキング URL を利用することで、ウェブサイト全体のトラフィックに対する商品リスト広告の貢献度や、商品単位でのトラッキングが可能になります。

また、商品リスト広告は現在 PC 以外の端末にも表示することができます。ぜひエンハンスト キャンペーンを利用し、商品リスト広告もマルチスクリーンでの柔軟な広告掲載を行いましょう。

2013年3月1日金曜日

エンハンスト キャンペーンに対応した AdWords Editor 10.0

AdWords Editor でエンハンスト キャンペーンへのアップグレードや管理ができるようになりました。AdWords Editor 10.0 をインストールすると、次のことが可能になります。
  • キャンペーンをエンハンスト キャンペーンにアップグレード(個別および一括アップグレードに対応)
  • モバイル デバイス向けの入札単価調整をキャンペーン単位で設定
  • ターゲット地域ごとの入札単価調整を設定
  • 各広告のデバイス設定(モバイル/すべて)を指定
 これらの変更点の詳細と、その他の最新情報については、AdWords Editor 10.0 のリリース ノートをご覧ください。エンハンスト キャンペーンについての詳しい説明は、AdWords ヘルプセンターの概要記事でご覧いただけます。

次回 AdWords Editor を起動すると、バージョン 10.0 へのアップグレードを促すメッセージが表示されます。未送信の変更内容やコメントを維持する方法など、アップグレードの詳細についてはこちらの手順をご覧ください。また、AdWords Editor のウェブサイトからバージョン 10.0 をダウンロードしていただくことも可能です。

注: 今後 4 か月間は、アップグレード期間として旧バージョンのサポートが継続されます。 AdWords Editor のご利用に支障が出ないよう、2013 年 6 月 28 日までにアップグレードしていただきますようお願いいたします。