Posted by Jen Huang - AdWords 上級プロダクト マネージャー

同じものを探しているユーザーであっても、「レディース シューズ」と検索する人もいれば「女性用 靴」などと検索する人もいるでしょう。関連性の高いキーワードを登録しても、その商品やサービスを探すユーザーに常に広告を届けられるとは限りません。実際、Google で毎日行われている十数億件の検索のうち 15% は、かつて使われたことのない語句で行われています*。さらに、在庫の変動や、ウェブサイトの階層の深さによって、ユーザーが目的の情報を見つけられないこともあるでしょう。3 年前に動的検索広告(DSA)を導入したのは、こうした問題を解消するためでした。

今回、この動的検索広告の機能が向上しました。新しい機能は、全世界の広告主様にご利用いただけます。


動的検索広告とは


動的検索広告では、ユーザーの検索内容に応じて広告が表示されます。広告掲載のタイミングは、広告主様のウェブサイトのコンテンツに基づいて決まるため、キーワードは不要です。

広告主様のウェブサイトは、Google オーガニック検索のウェブクロール技術によってインデックスに登録されます。そして、サイトのコンテンツに関する語句で検索が行われると、広告の表示機会が生まれます。広告の見出しとランディング ページは、サイトで扱っている商品やサービス、そしてユーザーの検索内容に基づいて自動生成されます。

このように、動的検索広告は既存のキーワードでカバーされていない検索語句での広告掲載を可能にし、既存の AdWords キャンペーンを補完する役割を果たします。


ウェブサイトに応じた推奨カテゴリ


ウェブサイトで扱っている商品のうち、一部のみを広告掲載の対象としたい場合もあるでしょう。

今回の変更により、動的検索広告では、広告主様のウェブサイトの内容が自動的に分類され、「推奨カテゴリ」として提示されるようになりました。

広告主の皆様は、サイトで提供されている商品に合った「推奨カテゴリ」(たとえば「カーテン」など)の中から広告掲載に使用したいものを選び、ターゲットとして加えることができます。なお、広告が掲載されるのは、検索語句と関連性の高いランディング ページがサイト内に存在する場合のみです。


動的検索広告の推奨カテゴリ


また、「カーテン」といった大カテゴリだけでなく、「ブラインド カーテン」や「遮光カーテン」といったサブカテゴリを選ぶことも可能です。多数のカテゴリを選ぶことも、あるいはウェブサイト全体を広告掲載の対象とすることもできます。


広告のプレビューと推奨単価


広告がどのように掲載されるかを確認できるプレビュー ツールも追加されました。各推奨カテゴリの横にある吹き出しのアイコンにカーソルを合わせることと、広告が表示される検索語句の例、表示される広告文、そしてランディング ページが表示されます。また、カテゴリごとに推奨クリック単価も算出されます。この推奨値は、同様の検索語句をターゲットとする既存キーワードの掲載結果に基づいています。


活用事例


この新しい動的検索広告で、既に多くの広告主様が成功を収めています。

動的検索広告のベータ版テストには、アメリカのオンライン小売り大手 Hayneedle.com にもご参加いただきました。同社が新機能の推奨カテゴリを使用したところ、質の高いクリックが 5% 増加しました。


Vueling Airlines も推奨カテゴリを使用し、コンバージョン単価の 20% 減、コンバージョンに至ったクリック数の 10% 増に成功しています。推奨カテゴリを通じての効果的な入札単価が、キャンペーンの掲載結果向上につながりました。



今回の変更により、広告主の皆様にとって動的検索広告キャンペーンの作成プロセスが簡単になり、動的広告ターゲットの管理がより直感的なものとなれば幸いです。

動的検索広告の詳細については、AdWords ヘルプセンターをご覧ください。


*Google 内部データ

Posted by  大迫 正治 - パフォーマンス ソリューション エキスパート, 近藤 なつ美 - アカウント マネージャー

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アルバイト求人サイト「ジョブセンス」や転職求人サイト「ジョブセンスリンク」といった求人を始めとするインターネット メディアを運営する株式会社リブセンス。ユーザー ニーズが多様化し、ダイナミックに移り変わる市場環境に、柔軟かつスピーディーに対応するビジネス戦略が求められています。この事例では、動的検索広告検索広告向けリマーケティング リストコンバージョン オプティマイザーを戦略的に組み合わせて活用し、大きな成果を出した取り組みをご紹介します。


導入の背景と戦略



アルバイト求人業界においては、より自分に合った仕事を見つけたいという求職者のこだわりやニーズの多様化を背景に、求人サービス提供各社が様々な対応を行っています。検索連動型広告においても、「バイト」「求人」などビッグワードの CPC が高騰している一方で、多様化するニーズを捉えるスモールワードへの細かな対応が業界全体の課題となっています。リブセンスも、リアルタイムに更新される豊富な求人の一つ一つに、限られた人員で対応する難しさを課題としていました。

そこで、多様化するニーズを的確に捉えながらも、完全自動化で運用効率を向上させるため、動的検索広告、検索広告向けリマーケティング リスト、コンバージョン オプティマイザーという 3 つの Google サービスを戦略的に導入しました。


施策における工夫とポイント


動的検索広告は、ウェブサイトのコンテンツに関連性の高い検索語句を自動的に抽出し、適切な広告文とリンク先ページ URL を自動生成することで、最も関連性の高いページにユーザーを誘導することができます。そこで、アルバイト求人サイト「ジョブセンス」の随時更新される求人詳細ページに対して適正な求職者をタイミング良く誘導するため、動的検索広告を導入しました。

また、求人詳細ページに含まれるキーワードは多様なため、見込み顧客(求職者)ではないユーザーによる検索語句にも、動的検索広告が配信される可能性があります(例えば、エステ予約が目的のユーザーが「エステ」と検索した際に、エステサロンの求人ページに含まれる「エステ」という語句が反応して、エステサロンの求人広告を表示するケースなど)。

そこで、検索広告向けリマーケティング リストを併用することで、ターゲットとしたい求職者、すなわち「ジョブセンス」のサイトを過去に訪問したことがある人に優先的にアプローチする戦略をとりました。具体的には、検索広告向けリマーケティング リストを使って訪問者に絞って広告を配信したり、コンバージョン オプティマイザーを併用して訪問者、未訪問者双方に配信しつつ、訪問者への入札を強化したりすることで、新規獲得の拡大を目指しました(図 1 参照)。


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(図 1 )施策全体の概念図


また、ウェブサイトへの最終訪問日に応じて「1 日前」「7 日前」「30 日前」などのリマーケティング リストを作成し、コンバージョン オプティマイザーが各リスト内のユーザーに対して入札単価をきめ細かく調整するよう設定しました。さらに豊富な広告文やサイトリンクを入稿するなど、広告の関連性を最大限に高めることで、コンバージョン単価の低下とコンバージョン数の最大化ができる環境を整えたことも施策のポイントです。


施策後の成果


今回の施策による成果は驚くべきものでした。3 つの Google サービスを併用した検索連動型広告によって、コンバージョン単価は 2% 低下し、コンバージョン数は 30% 増加しました。特に、モバイルからのコンバージョン数は 36% 増加し、増加総数の 64% はモバイル経由となりました。

施策前から、クリックが発生する検索語句は PC よりモバイルのほうが 57% 多いというユーザー傾向はわかっていましたが、モバイル検索からの多様な検索語句に個別対応することは、労力的に大きな課題となっていました。動的検索広告がそうした幅広い検索語句を自動でカバーし、コンバージョン オプティマイザーでデバイス別に適した入札を自動で行うよう設定した結果、モバイルからのコンバージョンが大きく拡大する結果となりました(図 2 参照)。


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(図 2 )施策後の成果


今後の展望


今回の成果を受け、リブセンスでは、検索広告向けリマーケティング リストや 3 つのサービスの併用を、転職サイト「ジョブセンスリンク」や不動産賃貸サイト「door賃貸」などへ展開しています。また、運用時間の短縮で新しい施策に取り組む余裕ができたため、ディスプレイ広告で潜在顧客にリーチした後に、今回確立した検索広告の手法でコンバージョンを促すというサイクルの構築に取り組んでいます。

「今回のような複数の手法の併用は初めての取り組みでしたが、実際の運用は簡単で効果抜群の組み合わせでした。組み合わせ運用という Google からの提案は、われわれの課題に対する適切な施策だったと思います。全面的な自動化で運用時間を短縮しつつ、コンバージョン数を大幅に拡大できました。これは、弊社における検索連動型広告の運用方法が変わるほどのインパクトのある結果でした。

個々の広告グループのインプレッション シェアも劇的に改善し、効率的な広告配信ができるようになりました。最適化の手法が一段上に進んだと感じています。今回得た知見を発展させながら、成功事例を増やしていきたいと思います。」株式会社リブセンス アルバイト事業部/キャリア事業部兼任 Adグループリーダー 岩崎 亮 氏

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*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
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 株式会社リブセンス
http://www.livesense.co.jp/
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」をはじめ、転職求人サイト「ジョブセンスリンク」、派遣社員求人サイト「ジョブセンス派遣」、不動産賃貸サイト「door賃貸」 、転職クチコミサイト「転職会議」などのインターネットメディアを運営

Posted by 水谷嘉仁 - ソリューション エキスパート

前回の動的検索広告の導入成功事例では、動的検索広告の機能やベストプラクティスをご紹介しました。今回は、動的検索広告を導入した後に、ぜひ注力していただきたい動的検索広告の最適化についてご紹介します。

そのまえに、動的検索広告キャンペーンに設定ミスや最適化不足によってその効果が限定的になっている可能性があります。まずはこちらのページを参考に、動的検索広告が適切に設定されているかをご確認ください。

図 1. よくある設定ミスや最適化不足の動的検索広告のキャンペーン割合

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表 1. よくある設定ミスや最適化不足の動的検索広告の確認ポイント
予算制限有り
  1. こちらのページの [インプレッション シェア データを確認する] に沿って検索インプレッション シェア損失率(予算)を確認してください。
  2. 予算不足が多い場合は、入札単価の調整や予算の引き上げを検討してください。
動的広告ターゲットの対象が少ない
  1. こちらのページの [動的広告ターゲットを確認する] ならびに[ヒント] に沿って [ウェブサイトのカバレッジ] を確認してください。
  2. [ウェブサイトのカバレッジ] が少ない場合は、動的広告ターゲットのルールを見直します。
広告表示オプションの設定忘れ
  1. こちらのページの [ウェブサイトのドメインが入力されていることを確認する] に沿って [動的検索広告表示オプション] を確認してください。
  2. ウェブサイトのドメインが指定されているにもかかわらず、動的検索広告キャンペーンでトラフィックを獲得できていない場合は、入力したウェブサイトのドメインに間違いがないかどうかを確認してください。
動的検索広告フォーマットの設定忘れ
  1. こちらのページの [広告フォーマットを確認する] に沿って[ 動的検索広告] を確認してください。
  2. 「{動的に生成されたタイトル}」という広告見出しの広告がない場合は、新たに動的検索広告を追加してください。広告テキストにキーワード挿入を活用した動的検索広告をローテーションすると最適化に役立ちます。
リンク先ページのトラッキングパラメーターが不適切
  1. こちらのページの [動的検索広告で動的トラッキング URL を使用する] に沿ってトラッキング URL を確認してください。
  2. URL の途中に最終リンク先ページを挿入するリダイレクト型には UTF-8 でエンコードされる {lpurl} を使用し、最終リンク先ページの後にトラッキングパラメーターを付与するダイレクト型には UTF-8 でエンコードされない {unescapedlpurl} を使用してください。
その他:除外キーワードと動的広告ターゲットの除外設定を確認する
  1. こちらのページの [除外キーワードと動的広告ターゲットの除外設定を確認する] に沿って除外設定を確認してください。
  2. キーワード キャンペーンで設定されている除外キーワードや商用性の低い動的広告ターゲットを除外してください。


動的検索広告の最適化には、通常のキーワード キャンペーンの最適化の手法を応用できます。動的検索広告では、通常のキーワード タブや詳細分析タブから確認できる検索語句レポートに加えて、専用の検索語句レポートをご利用いただけます。

このレポートを活用すると、実際に動的検索広告に使用されたリンク先ページのタイトルと URL、検索語句と動的に生成された広告タイトルの組み合わせごとに掲載結果を分析できます。動的検索広告の運用開始直後は毎週、1 ヶ月程度経ってからは隔週など、継続的にレポートをダウンロードして分析してください。

その際に、たとえばリンク先ページのタイトル > URL またはカテゴリ > 検索語句の順にピボットし、表示回数やクリック数、ご利用金額で並び替えをすると、検索ユーザーの需要動向に応じて入札金額や広告テキストを柔軟に調整するのに役立ちます。

表 2. 検索語句レポートの活用例
ピボット項目
  1. リンク先ページのタイトル:表示回数やクリック数の多いリンク先ページのタイトルから検索ユーザーの需要動向を読み取る。
  2. URL またはカテゴリ:URL やカテゴリに共通するパターンを参考にして、より最適な動的広告ターゲットのルールを作成する。
  3. 検索語句:リンク先ページのタイトルに紐付けられた検索語句に共通するパターンを参考にして、より最適な広告テキストを作成する。
並び替え順
  1. 表示回数降順:検索ユーザーの需要が高い順。
  2. クリック数降順:検索ユーザーの需要と選択されたリンク先ページの関連性が高い順。
  3. ご利用金額降順:検索ユーザーの需要と選択されたリンク先ページの関連性、他の広告主との競合性が高い順。
  4. クリック スルー コンバーション降順:検索ユーザーの需要と選択されたリンク先ページの関連性ならびに商用性が高い順。
アクション
  1. 動的広告ターゲット:検索ユーザーの需要や商用性の高いウェブページを特定する。その URL やタイトルに共通するパターンを指定して、入札単価と広告テキストを最適化する。
  2. 除外動的広告ターゲット:商用性の低いウェブページを特定する。その URL やタイトルに共通するパターンを指定して、入札単価を低く設定、または、除外する。
  3. 除外キーワード:商用性の低い検索語句を特定する。その検索語句を完全一致で指定して除外する。

動的検索広告の効果を最大限に引き出すには、ウェブ サイトの構成を意識して、ターゲティングの方法を従来のキーワード登録からリンク先ページのコンテンツへと発想を切り替える必要があります。

ここでは、動的検索広告を最適化して検索語句のカバレッジ拡大と掲載結果の改善に成功した事例を紹介します。


動的検索広告の最適化【株式会社ネクスト】

導入の背景
株式会社ネクストでは、日本最大級の不動産・住宅情報サイトの「HOME'S(ホームズ)」を運営しています。これまでも動的検索広告は一戸建てやマンションといった物件種別単位で限定的に運用していました。

しかしながら、不動産業界全体の競合性が高まるにつれ一部の主要キーワードの平均クリック単価が急激に高騰し、キャンペーン全体の運用効率の見直しが必要でした。そこで、物件名などのロングテールの検索語句でもクリックやコンバーションを積極的に獲得するため、動的検索広告を本格的に活用することにしました。

導入後の成果
HOME'S の物件詳細ページには、コンバージョンに至るかもしれないニッチなキーワードが多く含まれている可能性がありました。しかし、HOME'S は賃貸、新築マンション、新築一戸建て、中古マンション、といったさまざまな物件種別を扱っており、それぞれの領域専用の広告運用をしています。動的検索広告の対象範囲を運用領域毎に明確に限定できないと、社内で入札競争が起こってしまうため、積極的な活用ができていませんでした。

今回、新たに動的広告ターゲットの設定を見直し、 URL とリンク先ページ タイトルに含まれる語句を組み合わせたことで、動的検索広告でもそれぞれの領域ごとに予算管理と広告運用を実現しました。動的検索広告の適用範囲を物件種別単位から物件詳細ページ単位に拡大するだけでなく、上限入札単価と動的検索広告テンプレートを最適化することにより、変更適用後 6 週間でアカウントに占める動的検索広告の運用比率と掲載結果が大幅に改善しています。

これにより、並行して運用しているキーワード キャンペーンの掲載結果を維持しながら、アカウント全体のクリック率は 30%、コンバーション数は 24% 増加しました。


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成功のポイントと今後の展開
「HOME’S は、「らしく住もう」というキャッチフレーズのとおり、一人ひとりにぴったりの住まい方を提案することを目指しています。動的検索広告は、ユーザーが検索したキーワードとページに含まれる語句が一致した際に表示されるので、一人ひとりにあわせた提案を実現する際に大きな役割を果たします。

最適化するにあたって、検索語句レポートの表示回数の多いリンク先ページと検索語句の組み合せパターンに基づいて動的広告ターゲットのルールを細分化し、それぞれの入札単価と広告テキストを調整しました。最適化実施前後で新たに表示回数やクリック数が発生した検索語句の種類をキャンペーン別に集計してみたところ、いかに動的検索広告によって今まで獲得できていなかったロングテールの検索語句のカバレッジを拡大できたのかがわかりました。


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また、動的検索広告が検索結果上部に掲載される際には、通常の文字数制限より長い広告タイトルを自動で生成することがあるのも魅力的ですね。今後は、動的検索広告を HOME'S の全領域に展開して、より効果的な自動ターゲットや入札戦略のルール化を策定していきたいです。」(株式会社ネクスト HOME'S 事業本部 マーケティング部 デジタルマーケティングユニット 井上 勝之 様)

(左:株式会社ネクスト 井上 勝之 様 / 右:グーグル株式会社 不動産業界担当 浅岡 純子)
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株式会社ネクストhttp://www.next-group.jp/
日本最大級の不動産・住宅情報サイト「HOME’S(http://www.homes.co.jp)」を運営。

海外のグループサイト
http://www.homesthailand.co.th/(タイ)
http://www.rumahrumah.co.id/(インドネシア)

Posted by 水谷嘉仁 - ソリューション エキスパート

ほとんどの検索広告はキーワードに基づいて Google 検索結果に表示されますが、動的検索広告ではキーワードではなく、ウェブサイトのコンテンツに基づいて自動的に広告が表示されます。したがって、キーワードを指定したり、ウェブサイトへのページの追加や削除を Google に報告したり、サイトの商品やサービスのページごとに広告を作成したりする必要がありません。動的検索広告は管理が簡単で、自動生成され、より多くのトラフィックを獲得でき、さらにキーワードを長々と作成する必要がないので便利です。

動的広告ターゲットと一致する検索が発生すると、広告のタイトルとテキストが生成され、ウェブサイトで最も関連性の高いページへのリンク先 URL が設定されます。広告見出しは、検索で使用されている語句と広告のリンク先ページのコンテンツを合わせて動的に生成され、広告の残りの部分には、キャンペーンでテンプレートとして設定した内容が使用されます。

動的検索広告を効果的に活用するためには、ウェブサイトの構成にあわせてテーマ別に広告グループを作成し、適切な動的広告ターゲットを設定します。動的検索広告は広告主のビジネスやキーワード キャンペーンの運用次第で、アシスト クリックとして間接的にコンバーション獲得に貢献したり、ラスト クリックとして直接的にコンバーション獲得に貢献したりします。動的検索広告運用開始後には、検索語句レポート検索ユーザーの行動経路(サーチ ファンネル)を活用して、広告グループごとにより適切な広告テキスト入札戦略を検討してください。

表 1. 動的検索広告のベスト プラクティス
ターゲット
入札単価
  • 検索キャンペーンの部分一致キーワードやフレーズ一致キーワードの入札単価を目安とする。
  • 入札戦略を活用して、アシスト クリック タイプには [クリック数の最大化] や [検索ページの場所を掲載対象に設定]、ラスト クリック タイプには [目標コンバージョン単価(CPA)] で最適化する。
広告テキスト
予算


1. 動的検索広告とその他の製品との組み合わせイメージ


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たとえ数百万のキーワードを運用して、高いインプレッション シェアを維持していたとしても、それらの掲載結果データは設定されたキーワードに基づく範囲に限定されます。動的検索広告は、キーワードに基づく広告を補完するように機能するため、新たな広告掲載機会の開拓につながります。

ここでは、動的検索広告を新規に導入してロングテールの検索語句の掘り起こしと広告運用の効率化に成功した事例を紹介します。


動的検索広告の新規導入【株式会社リクルートライフスタイル】

導入の背景

株式会社リクルートライフスタイルでは、宿・ホテルの宿泊予約・ダイナミックパッケージを手がけるじゃらんnet を運営しています。検索ユーザーが使用する検索語句は多岐にわたるうえに、取り扱い施設の情報も随時更新されるため、それらの変化にキーワードのみで対応するのには限界がありました。このたび、秋から冬にかけて高まる温泉宿泊施設の予約需要を効率よく取り込むために動的検索広告を実施しました。

導入後の成果

じゃらんnet では、わかりやすいウェブ サイトの構成で充実したコンテンツを継続的に更新しています。動的検索広告によって、Google 検索にインデックスされている数十万以上のウェブページの中から特定のカテゴリを効率的、かつ、効果的に広告を運用することができました。動的検索広告の導入により、運用開始後 6 週間でアカウント全体のクリック数は 10%、コンバーション数は 9% 増加しました。通常のキーワード キャンペーンは動的検索広告よりも優先的に表示されるため、動的検索広告の掲載結果は新たに獲得されたことを意味します。また、他の温泉関連のキーワード キャンペーンの平均掲載結果を 100 とした場合、動的検索広告のクリック率 (CTR)は 7% 高く、かつ、平均クリック単価(CPC)や平均コンバーション単価 (CPA)は 40% 以上低く、効率よく運用できていることがわかります。


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成功のポイントと今後の展開

「じゃらんnet は、Adwords 検索ネットワーク広告で数百万に及ぶキーワードを運用し、ユーザーのニーズを漏れなくカバーすることを心がけています。しかしながら、数百万キーワードを運用していても、まだまだユーザーニーズはカバーできておらず、さらにテールキーワードの入稿を強化して獲得件数の強化や効率化を進めたいと考えていました。

動的検索広告はウェブサイトのコンテンツに基づいて自動的に広告が表示されるため、上記のようなテールキーワードの強化につながる施策であると判断し、温泉関連のコンテンツを対象に活用をはじめました。

実際に運用を行ってみたところ、タイプミスや誤変換、宿泊施設の住所やキャッチコピー、温泉の特徴を示す語句での検索など、今まではカバーしきれていなかったロングテールワードからのコンバージョンを数多く発見することができました。


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そして動的検索広告から発見したキーワードを通常のキーワードとして入稿することで、動的検索広告によるキーワードの掘り起こし→入稿キーワード数の増加→コンバージョン数の増加といった運用サイクルを確立しています。


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現在はエリア関連のコンテンツに対しても動的検索広告を導入中です。今後は、航空券+宿泊予約サービスの「じゃらんパック」などへの導入、サイトリンク、入札戦略、リマーケティングなどの他の広告機能との組み合わせによる効果の最大化を検証していく予定です。」(株式会社リクルートライフスタイル ウェブマーケティング 1 グループ  松浦 陵介 様)

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株式会社リクルートライフスタイル
宿・ホテルの宿泊予約・ダイナミックパッケージを手がけるじゃらんnet を運営。
http://www.jalan.net/

Posted by AdWords プロダクト マネージャー Jen Huang

動的検索広告は、Google ウェブ クロール技術により、広告主様のサイトで扱っている商品の最新情報に基づいて自動的に広告を生成する AdWords の機能です。

昨年 10 月の提供開始以来、多くの広告主様が動的検索広告を利用され、クリック数とコンバージョン数が平均で 5~10% 増加し、投資収益率も向上しています。

動的検索広告は、キーワードに基づく広告掲載と同様に、適切な設定を行って初めて効果を発揮します。そこでこの記事では、動的検索広告の運用のヒントをご紹介します。
1. 幅広い範囲をターゲットにする 
動的検索広告を利用する際は、広告主様のウェブサイトのうち、広告掲載に使用したいページを指定します。この「動的広告ターゲット」が、従来の検索キャンペーンにおけるキーワードと同様の役割を果たします。
キーワードを 1 つ 1 つ設定する手間を省く動的検索広告のメリットを最大限に活かすには、ウェブサイトの全体か大部分のページをターゲットに設定することをお勧めします。 
そうすることで、これまで広告掲載の対象とならなかったユーザーや、いわゆるロングテールの語句で検索したユーザーにも、幅広く広告を掲載することができます。 
アジアの e コマース業界をリードする Qoo10 は、この手法で動的検索広告を活用して瞬く間に成果を上げました。それは、既存のキーワードで網羅している範囲と、実際に販売している商品との「ギャップを埋める」ことができたためです。  
Qoo10 のマーケティング担当役員である Muhd Fitri Khamis 氏が述べているように、「ドメイン全体ではなく一部のページだけをターゲットとした場合、それほど高い成果は得られないかもしれません。」現在、Qoo10 の動的検索広告キャンペーンは、AdWords 経由での売り上げの 10% を占め(PDF の英語記事)、そのクリック率は他のキャンペーンを 33% も上回っています。

2. 除外ターゲットを活用する 
動的検索広告キャンペーンの場合、特に早い段階から検索クエリ レポートやカテゴリ レポートを使用して、成果が見込めない検索クエリやページを除外する必要があります。
たとえば、最近になって一時停止したキーワードや、販売している商品と関連性が低いページ(「よくある質問」ページなど)を除外します。
除外ターゲットや除外キーワードを設定する方法については、こちらのヘルプセンター記事をご覧ください。

3. 関連性の高いページや同程度の価値のある商品をグループにまとめる 
関連性のあるページや同じ程度の価値がある商品を同じターゲットとしてまとめます。 
たとえば、海辺の賃貸物件を 1 つの広告グループにまとめ、スキー ロッジの賃貸物件をもう 1 つの広告グループにまとめます。ターゲットを絞り込むと、ユーザーが探している商品に合った広告を表示することができます。 
また、高額商品と、低額商品を別のターゲットに分ける方法もあります。たとえば、高性能電化製品と、その周辺機器とを別のグループに分けます。すると、商品の価値に応じて入札単価を変えることができます。 
ターゲット設定の詳細については、こちらのヘルプセンター記事をご覧ください。

4. コンバージョン オプティマイザーや目標コンバージョン単価を使用する 
動的検索広告を利用する際は、コンバージョン単価制をあわせて使用することをお勧めします。コンバージョン単価制とは、目標コンバージョン単価に応じて AdWords が入札単価を調整する自動入札機能です。ウェブサイトのコンテンツを変更したり、広告の掲載対象を広げたりしながらも、目標コンバージョン単価を維持したい場合に最適です。 
この 2 つを組み合わせて高い成果を上げたのが、ソフトウェア ダウンロード大手の Soft32.com です。動的検索広告とコンバージョン オプティマイザーを併用した Soft32.com (PDF の英語記事)では、膨大な数のリンク先ページをターゲットとするキャンペーンを設定し、すべてのキャンペーンで目標コンバージョン単価を維持することができました。 
Soft32.com の創設者兼 CEO である Lucian Todea 氏によれば、動的検索広告のおかげでロングテール キーワードを効果的に活用できるようになり、わずか数か月でコンバージョン数が 15% も増えたそうです。

5. 定期的に確認する 
ウェブサイトの構成やコンテンツを変更したときは、その変更を動的検索広告キャンペーンに反映させます。また、検索クエリ レポートとカテゴリ レポートを定期的に確認し、高い成果を上げているページの入札単価を引き上げると同時に、成果の低いページや検索クエリは除外ターゲットに設定します。
動的検索広告キャンペーンの詳しい設定手順については、AdWords ヘルプセンターおよびAdWords ビジュアル ナビをご覧ください。

Posted by Marina Agapakis, Product Marketing Manager

Google では、皆様に最新の機能について学んでいただくため、定期的にセミナー「Learn with Google」を開催しています。今後のセミナー予定については、改めて本ブログでお知らせします。

今回は、大量のキーワードを登録することなくウェブサイトへの集客増加を実現する AdWords の新しい広告フォーマット、「動的検索広告」を取り上げます。

動的検索広告を使用すると、Google のシステムが自動的に広告主様のウェブサイトの内容を分析します。そして、その内容に関連する語句で検索が行われると、広告タイトルとリンク先ページを自動で作成して広告を表示します。

このセミナーでは以下の内容をご紹介しますので、この機会にご参加ください。

・ 動的検索広告の概要
・ 動的検索広告の活用事例
・ 動的検索広告の運用方法

このセミナーは、皆様からのご質問をその場で受け付け、回答する時間も設ける予定です。

ぜひ、この機会を逃さずにご参加ください。
事前のご予約が必要ですので、忘れずにお申し込みください。

日時

2012 年 11 月 27 日(火)18 時
時間 : 1 時間程度
場所 : オンラインのセミナーです。インターネットに接続できる環境よりご参加ください。

要予約

こちらをクリックしてお申し込みください

Posted by Tarun Jain, AdWords Product Manager

Google AdWords では昨年 10 月に動的検索広告をベータ版としてご紹介して以来、一年にわたって改良を加えてきました。またベータ版を利用された広告主の皆様からも成功のご報告をいただいており、この度すべての広告主様にこの機能を提供することになりました。

何千、何万ものキーワードが登録されているアカウントであっても、商品の購入につながる単語やフレーズを網羅し切れない場合もあるでしょう。また広告の編集が、新しい商品の入荷や在庫の変動に追いつかない場合もあるかと思います。

動的検索広告は、現在のウェブサイトの内容から動的に広告を生成し、関連する検索に対して自動的に広告を掲載する機能です。現在キーワードとして登録されていない単語やフレーズに対しても広告を表示し、より多くのサイト訪問者や売り上げを獲得することができます。

ベータ版の掲載結果

ベータ版を利用された広告主様の多くは、大規模な検索ネットワーク キャンペーンと動的検索広告を併用されました。

ベータ版をご利用のアカウントでは、AdWords 経由でのサイト訪問やコンバージョンが平均で 10% 向上しました。また、クリック率、クリック単価、コンバージョン単価も、 完全一致以外のキーワードを 10% 上回る結果となりました。

成功事例と広告主様のコメント(いずれも英語)を何点かご紹介します。
  • Jonathan Meager 氏(Gear4music のマーケティング マネージャー)の事例(PDF
  • Matt Wilkinson 氏(Rosetta のサーチ・アンド・メディア ディレクター)と Steve Baruch 氏(MSC Industrial Supply の e コマース VP)の事例(PDF
  • Larry Cotter 氏(Apartment Home Living の GM)の事例(動画
動的検索広告の特徴

Google AdWords では、ベータ期間中に様々な改善を加えました。
  • 入札単価の自動調整
    コンバージョンにつながりにくい語句で検索された際に自動的に入札単価を下げる機能を追加しました。これにより、コンバージョン率や投資収益率の向上が見込めます。

  • ウェブサイトの確認頻度の向上
    広告が表示されているウェブページに関しては、少なくとも 1 日に 1 回はクロールが行われます。表示回数やクリック数が多いウェブページについては、より頻繁にクロールが行われます。これにより、ウェブサイトで販売されている商品のインデックスを最新の状態に保ち、最新の商品や在庫状況を反映した広告を掲載できます。

  • モバイルやタブレット端末に対応
    動的検索広告は、モバイルやタブレット端末でも掲載できます。

  • 広告設定オプションと併用可能
    通常の検索ネットワーク向けの広告と同様、サイトリンクや住所指定オプションなどの広告設定オプションと併用できます。

  • コンバージョン オプティマイザーと併用可能
    コンバージョン オプティマイザーと動的検索広告を併用されたベータ版利用者の皆様からは、広告の表示機会を増やすと同時にコンバージョン単価の目標を達成できたとのご報告を頂いています。
利用方法

この機能を利用するには、キャンペーンで動的検索広告オプションを作成して、使用するウェブサイトを指定するとともに、広告グループで専用フォーマットの広告を作成します。また、広告グループで動的広告ターゲットを作成し、宣伝の対象とするページや商品カテゴリを指定します。

動的検索広告の仕組み掲載結果を確認、改善する方法動的トラッキングについては、AdWords ヘルプセンターをご覧ください。

Baris Gultekin, AdWords プロダクトマネジメント ディレクター

オンライン ビジネスの問題点として、日々追加される新商品や頻繁に変わる在庫、商品の販売終了などへの対応に迫られるという悩みがよくあります。また、ターゲットとするユーザーの検索行動もめまぐるしく変化します。例えば Google の調べでは、1 日のうち 16% が初めて検索される語句(英語版)ということがわかっており、AdWords でキャンペーンをきめ細かく管理し、吟味したキーワードを数多く設定している場合でも、関連性のある検索での広告表示の機会を逃す可能性があります。また、新しい商品の広告の作成が遅れたり、ウェブサイトで実際に提供している商品に合わせて広告を更新しきれなかったりすることがあるのではないでしょうか。

こうした課題を解決するため、このたび Google では動的検索広告の提供を開始することにいたしました。これはウェブサイトの内容から動的に広告を生成し、関連性の高い検索で表示する新しいターゲットの仕組みです。従来のキーワードによるターゲット方法を補って、手間をかけずにより多くのクリックやコンバージョンを獲得することを目的として開発されました。


動的なターゲット設定、広告、リンク先ページ
動的検索広告では、Google 検索のウェブ クロール技術と関連性に関する技術を使用して、ウェブサイトで販売されている商品のインデックスを常に最新の状態に保ち、関連する検索が行われたときに広告を表示します。

クリックして拡大

広告のタイトルは、検索クエリおよび検索クエリと最も関連性の高いリンク先ページのテキストに基づき、システムによって動的に生成されます。

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広告のその他の部分は、動的検索広告の設定時に作成したテンプレートを使用して生成されます。

動的検索広告は、他の広告と同じオークションにより表示されるかどうか決まりますが、キーワード ターゲットによって表示する広告がない場合のみ採用されます。つまり、動的検索広告は、本来なら表示される広告がない検索に限って表示されるため、リーチが広がり掲載結果が向上します。


ユーザーの利便性と効果
検索内容にぴったり一致した広告とリンク先ページが表示されれば、クリックやコンバージョンにつながる可能性も高くなります。これまで一部の広告主様を対象としたテストでも、その効果が実証されています。成果はさまざまですが、テストに参加されたほとんどの広告主様はクリック数とコンバージョン数が 5~10% 増加し、満足のいく投資収益率を実現されています。

中にはさらなる効果が期待できる結果を得られた広告主様もいらっしゃいます。アメリカで賃貸住宅情報を提供する大手ウェブサイトの Apartment Home Living はその一例です。ゼネラルマネージャーの Lawrence Cotter 氏は、常に変化し増え続ける大量の賃貸住宅情報をオンラインで管理しており、運用する AdWords キャンペーンに設定したキーワードは過去 5 年で 1,500 万個を超えました。動的検索広告を導入してから数週間経って、彼は次のように述べています。

「動的検索広告を導入したことでコンバージョン数は約 50% 増加し、平均コンバージョン単価は従来の検索連動型広告に比べ 73% も抑えることができました。

動的検索広告の機能は実に優れており、広告掲載に適した検索を見つけ出し、優れた広告を作成し、サイトで最も関連性の高いページにユーザーを誘導してくれます。」


管理、レポート、最適化
動的検索広告のターゲットには、サイト全体、サイトの商品カテゴリ、ある単語を含むページ、URL に特定の文字列を含むページを指定できます。これらを反対に除外し、従来の除外キーワードと併せて、ターゲットを絞り込むことや、在庫切れの商品を掲載したページを宣伝しないように設定することも可能です。また、クリック単価はターゲットごとに指定できます。

動的検索広告を使用したキャンペーンの掲載結果については、クリックの発生した検索クエリ、表示されたリンク先ページと生成された広告タイトル、平均クリック単価、クリック数、コンバージョン数を確認できます。また、一般的なサードパーティのトラッキング システムも利用できます。

これらのレポート機能とターゲット設定により、慣れ親しんだ方法で動的検索広告を最適化できます。コンバージョン数を最大限に増やすには、掲載結果の高いカテゴリの入札単価を引き上げ、掲載結果の低いカテゴリの入札単価を引き下げます。特定の検索クエリやウェブサイトの一部のページでの広告掲載を停止するには、除外設定を使用します。また、動的検索広告は新しいキーワードを見つける目的でも使用できます。掲載結果の高い検索クエリを特定して、広告グループにキーワードとして追加します。


リリース状況、その他
動的検索広告はすべての国と言語でご利用いただけますが、現在のところ、ベータ版として一部の広告主様に提供しております。ご利用を希望の場合は、Google のアカウント担当者に直接ご連絡ください。


詳細については、Ads Innovations ページ (英語版) または AdWords ヘルプセンターをご覧ください。