Posted by 丹下 智貴 - 広告ソリューション推進本部、麦島 修 - 西日本営業部

「おいしさと健康」を企業理念とし、これまでに多くのヒット商品を世に送り出し続けてきた江崎グリコ株式会社。同社では、主に若年層や女性層に対してポッキーのブランドイメージやその世界観を HTML5 を使った新しい技術でエンターテインメントに昇華することで、ポッキーがより愛される存在になっていくことを目指し、2012 年 3 月より「ポッキーグランプリ」キャンペーンを展開しました。キャンペーンへの誘導手段として、従来では難しかった「プッシュ型のエンターテインメント コンテンツ」を実現し、また広告効果を通常のスマートフォンに最適化されたサイトにおける広告表現と比較・検証するための調査をおこなうため、AdMob ネットワーク広告を採用しました。

商品の世界観を HTML5 を活用し表現

“Stick to fun! - いつも楽しいことといっしょ!” をコンセプトに、誰からも愛されるお菓子「ポッキー」。「ポッキーグランプリ」キャンペーンは、その世界観をスマートフォン特有の機能を活かして、いつでもどこでも楽しめるゲームコンテンツとして表現し、展開されました。キャンペーンは、スマートフォン上で HTML5 で作成をしたアニメーションバナーをクリックすると、フルスクリーンのリッチアドが展開され、ポッキーを使用した「キャッチ」「バランス」「やり投げ」「アーチェリー」「ストップ」の 5 つのミニゲームを用意。SNS も連動させ、ゲーム結果は Twitter、 Facebook で共有できるようにしています。



通常のスマートフォンに最適化されたサイトよりも高い評価を獲得

キャンペーン終了後、同キャンペーンが消費者にどのようなインパクトを与えることができたのかを検証するため調査を実施しました*。その結果、 HTML5 で作成したリッチアドの展開により、様々な指標で消費者に対して影響を与えていることがわかりました。まず、今回のキャンペーンサイトの評価を把握するため、通常のスマートフォンに最適化されたサイトと比較したところ、HTML5 のキャンペーンサイトの方が、全体的にエンゲージメントが深まり、その結果商品関与度が高くなっていることがわかりました。

[キャンペーンサイト評価]


HTML5 を使うことで、ブランドとの接触時間が増加

次に、滞在時間を通常のスマートフォンに最適化されたサイトと比較したところ、通常のサイトを体験したユーザーの 49% が滞在時間「1 分未満」であったのに対し、HTML5 のキャンペーンサイトを体験したユーザーの 78% は滞在時間が「1 分以上」となっていました。特に、滞在時間が「5 分以上」だったと回答したユーザーが全体の 32% と圧倒的に多く、HTML5 を活用したコンテンツにより、長くブランドに接してもらうことに成功しました。

[滞在時間]


興味関心の醸成により、実行動を促すことに成功

次に、当初の目的であるキャンペーンサイトを実際に体験したユーザーが、体験後にどのような行動を起こしたかを質問した結果、HTML5 のキャンペーンサイトを体験したユーザーは、「ポッキー」に対し、何かしら興味を持ち、他のサイトを見たり、周囲にすすめたり、手に取ったりという行動を起こしていたことがわかりました。その中でも、HTML5 のキャンペーンサイトを体験したユーザーの 46% が実際に「商品を食べた」と回答し、商品を実際に手にして食べてもらうことができました。

[キャンペーンサイトを見た際や見た後に行ったこと]


同社では、今回のキャンペーンの結果を受け、今後も消費者との強固なエンゲージメントを構築し、自社商品の販売促進をするために、スマートフォンへの HTML5 で作成をしたリッチコンテンツの提供と誘導強化としての AdMob の活用を推進していこうとしています。

AdMob に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。

*調査概要
調査方法:モバイルインターネット調査(オープンアンケート方式)、調査地域:日本全国、調査対象:男女 15 歳以上の Android / iPhone / iPod /iPod touch ユーザー、調査回答者数:820S、調査実施期間: 2012 / 3 / 29 - 2012 / 4 / 18、調査実施:ビデオリサーチインタラクティブ

Posted by 南 健正 - モバイル広告マーケティング

過去にないスピードで成長するスマートフォン市場。日本のスマートフォン利用者は 2012 年度末までには 4,000 万人、2013 年度末には日本の 2 人 に 1 人がスマートフォンユーザーになると予測されています(IDC Japan, 2012)。しかし、まだ多くのサイトがスマートフォン対応をしていないのが現状です。

これまで Google では、サイト運営者様のスマートフォン対応を サポートするべく、「サイトがスマートフォンでどのように見えるか」確認できる診断サイトや「対応のための 10 のヒント」などをご紹介してきました。そしてこの度、これらの情報に成功事例等の新しい情報を加えてまとめた「GoMo 日本語版」サイトの提供を開始いたしました。

 

 

GoMo 日本語版サイトでは以下のような情報や機能をご利用いただけます。

  • スマートフォン上でお持ちのサイトがどのように表示されるかを確認
    URL を入力するだけで、スマートフォン上での表示、サイト構築に役立つ診断レポートなどをご覧いただけます。
  • スマートフォン関連情報
    スマートフォンサイトがなぜ重要なのか、絵やデータを組み合わせてわかりやすく解説しています。
  • 実際の対応事例実際にスマートフォン対応を行った日本の広告主様やサイト運営者様の事例を複数紹介しています。
  • スマートフォンサイト制作を手がける会社情報
    スマートフォン対応を手がける会社の一覧や専門性などについての情報をご覧いただけます。

スマートフォン対応が気になっている、または対応方法でお困りの広告主様はこの機会に GoMo 日本語版サイトで関連情報やサイト制作へのアドバイスをご確認ください。

第 2 広告営業本部 第 2 グループ アカウントエグゼクティブ 久米 雅人

1980 年創設の株式会社テアトルアカデミー。芸能界、演劇界などさまざまな分野で活躍できるタレントを養成する総合芸能学院として、数々の人気赤ちゃん、キッズタレントや俳優、シニアタレントを輩出しています。創立 30 周年を前に、2009 年には大宮校、横浜校、2010 年には大阪校を開校し、さらなるタレント候補生の獲得に意欲を見せる同社は、Google AdWords を効果的に活用し、申込者の獲得につなげています。プロモーション全体を統括する、株式会社テアトルアカデミー 広報室 室長 浅井 武士氏にお話を伺いました。


リスティング広告の約 7 割を AdWords に投資
テアトルアカデミーがメッセージを届けたいメインターゲット層は、赤ちゃんやキッズの親、タレント、俳優を目指す若年層、シニア層と多岐に渡ります。これらのターゲット層が接触するメディアでの広告展開が主なプロモーション手段となっており、新聞や雑誌でのオーディション募集の掲載と、オンラインメディアでの広告掲載に重点を置いています。

オンライン広告では、AdWords をはじめとするリスティング、ディスプレイ広告、広告ネットワークへのバナー掲載、モバイル広告、純広告、アフィリエイト広告など様々な方法を活用していますが、その中でもリスティング、ディスプレイ広告は、応募者獲得のための有効な手段であると考えています。

「リスティング、ディスプレイ広告全体予算の約 7 割を AdWords に投資しています。検索連動型広告だけではなく、Google ディスプレイ ネットワークへの広告配信を積極的におこなっており、新しいターゲティングの試みも常にいち早く実践してみるようにしています。」(浅井氏)

ディスプレイ ネットワークは、大手ポータルサイトから特定カテゴリーに特化したウェブサイト、個人のブログまでを網羅した広告ネットワークで、数えきれない程多くのウェブサイトの中からターゲットを指定して広告を配信することができます。同社はこのネットワークを活用し、オーディションや学院への応募について明確な意思を持たないライトモチベーションのターゲット層に対し、オーディションの存在を認知してもらい、応募へつなげるため広告を配信しています。はじめは赤ちゃん系の情報が集まるウェブサイトへコンテンツ ターゲットで広告を配信し、CPA(獲得単価)を確認しながら徐々にテーマを拡大しています。

配信先レポートを見て、投資対効果の高い配信先はプレースメント ターゲットを使ってあらかじめ配信先として指定し、広告を配信しています。ターゲット層と相性の良さそうなテーマを考え、まずは広告を出してみることにしています。CPA を見ながら投資対効果を判断し、テーマを拡大してリーチを広げています。」(浅井氏)


インタレスト カテゴリにいち早く着目
同社がディスプレイ ネットワークへの広告配信を続ける中で、次の手段として着目したのがインタレスト カテゴリでした。インタレスト カテゴリとは、ディスプレイ ネットワークのウェブサイトの中から、1,000 を超える既定の興味、関心のカテゴリのいずれかに関心を寄せるユーザーに向けてのみ広告を配信することができる機能です。コンテンツ ターゲットやプレースメント ターゲットはサイトに掲載されているテーマの関連性が高いものに広告を配信するのに対し、インタレスト カテゴリは過去のサイト閲覧履歴からそのジャンルに興味、関心のあるオーディエンスをターゲティングするため、そのオーディエンスが関連性の低いテーマのサイトにアクセスしている場合でもアプローチが可能となります。同社は、「乳幼児」のカテゴリを指定し、乳幼児に関心の高いユーザーがディスプレイ ネットワークのサイトを閲覧中にも広告を配信するようにしました。インタレスト カテゴリを使って広告を配信した後は、全てのコンバージョンの約 3 割がインタレスト カテゴリからのコンバージョンとなりました。これまでコンテンツ ターゲットやプレースメント ターゲットだけではリーチしきれなかったターゲット層に広告メッセージを届けることで、CPA をほぼ維持したまま、コンバージョン数の純増に成功したのです。

ターゲット層の明確な興味、関心をあらかじめ想定することができる場合には、コンテンツ ターゲットやプレースメント ターゲットと併用してインタレスト カテゴリを活用することで、コンバージョン数を拡大できることが実数値をもって証明されました。


スマートフォン最適化に早くから着目、CVR が 4 〜 5 倍に
こうした積極的な活用を押し進めていく中で、同社が次に早急な対応が必要であると考えたのが、スマートフォンユーザーに対するアプローチでした。

「これまで PC 向けキャンペーンと同じ広告グループ、ランディングページで運用していましたが、スマートフォンに最適化したランディングページと広告クリエイティブを作成し、別のキャンペーンと広告グループで運用を開始しました。スマートフォン ユーザーは急激に増加しており、特に我々がアプローチしている赤ちゃんキッズのお母様層や若者層は、スマートフォンへの買い替えが加速していると感じています。スマートフォン対応を早期に進めれば、応募に必要な写真の送信ももっとスムーズにできるのではないかと考えていました。」

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同社が着目したスマートフォン向けの最適化施策は、運用を開始してすぐに明確な効果となって表れました。同じキーワードを設定した PC 用の広告に比べ、CVR(コンバージョン率)は約 4 〜 5 倍となり、飛躍的に上昇しました。赤ちゃんキッズのお母様層のスマートフォン経由の応募も増え、また現在、AdWords における若者層の応募もスマートフォン経由が目立っており、早くから施策を打った効果であると、浅井氏はスマートフォン向け最適化施策に手応えを感じています。


リスクコントロールできるのが AdWords のメリット
新しい試みにはどんどんチャレンジしていきたい
同社は、Google AdWords について次のように評価しています。「AdWords は細かいセグメントや配信先のコントロールができ、広告配信をスタートした後も、例えば新番組がスタートするタイミングなど、素早くクリエイティブを変更することができます。こうした細かいコントロールを PC 向け広告だけではなく、フィーチャーフォンやスマートフォンで実現できるところが我々の方針とマッチしています。ただし、投資対効果が良いからといって、マスへの広告出稿を全面的に止めるというわけではありません。例えば、新聞広告を出稿することにより、オンライン広告からの申込み後の来場率が高まるという結果も出ています。今後はマス広告との効率的な組み合わせを検討していくことがテーマであると考えています。」

新しい取り組みをいち早く取り入れることにより、新しいマーケットを作り、成果を伴ってきたとこれまでの施策について振り返りながら、同社はまた次の新しいチャレンジへの検討を続けています。


「AdWords で新しい機能が出ると、まずはすぐにやってみることにしています。効果が良ければ投資を拡大し、そうでなければ運用を見直す。AdWords はそうしたフレキシブルな対応ができることが魅力です。」

株式会社テアトルアカデミー   広報室 室長 浅井 武士氏