第一広告営業本部 シニアアカウントプランナー 小林哲男

数えきれない程多くのサイトが広告掲載先の候補となる Google ディスプレイ ネットワーク。その中でも YouTube は、日本のインターネット人口の約 51.0% へリーチ* する大きなサイトの 1 つです。今回はこの YouTube を活用し、まさにターゲットとする層へのリーチに成功した事例をご紹介します。

医療事業を核とし、バイオケミカル事業などをグループで展開する協和発酵キリン株式会社。同社は 2008 年の商号変更をきっかけに、改めて消費者に対し企業への理解を深めていくコミュニケーション戦略を必要としていました。こうしたコミュニケーション戦略の一貫として、中高年に高い人気を誇る「サンダーバード」のキャラクターを起用したオンラインキャンペーンを展開、YouTube を活用しています。今回の施策について、協和発酵キリン株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報担当マネジャー 薬学博士 長谷川一英氏にお話を伺いました。

40 代、50 代男性をターゲットにしたトリプルメディア戦略
「協和発酵キリンが ”医療用医薬品を販売する会社” で、さらに ”製薬会社の中でも抗体医薬に強い会社” であることを知っていただくことが今回のキャンペーンに力を注いだポイントです。」長谷川氏はこれまで、いかに消費者に対して商号変更後の社名を認知してもらい、最終的にロイヤリティを獲得していくか、そのコミュニケーション方法を検討していました。事業の特性上、これらのコミュニケーションは段階を追って進めていく必要があります。今回は、これまで重点を置いてきた社名認知、業態認知のフェーズの次の段階である、機能認知(抗体医薬に強い会社であることを認知)を進めていくフェーズでした。

抗体医薬の主なターゲット層は、健康に対する意識が高く、新しいものに対する受容性が高い 40 代、50 代の男性です。今回のキャンペーンでは、これらのターゲットとなる消費者が親しみを持ち、かつ業態との親和性も高い「サンダーバード」を活用しました。タイアップ ソーシャルメディアに加え、YouTube を使ってキャンペーンサイトへユーザーを集めるトリプルメディア戦略を取りました。

キャンペーンサイトで自然に機能理解を深める
2011 年 5 月にリリースしたキャンペーンサイト『THUNDERBIRDS Lab.』は、ユーザー参加型のキャンペーンサイトで、サイトに訪れたユーザーが入隊テストを受け隊員になることで、随時追加されるミッションに参加できるようになります。コンテンツを充実させることで、このミッションを通して協和発酵キリンの最先端医療に対する理解を深めることができるようにしました。

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入隊するとオリジナルのアバターを作成することができる等の特典をつけ、段階を区切って新しいミッションを追加していくことで、ユーザーが何度も訪れ、徐々に機能理解を深めてくれるような工夫を施しています。

キャンペーンサイトへ、まさにターゲットとなるユーザーを連れてくる YouTube の役割
今回の施策において、YouTube はキャンペーンサイトにターゲットユーザーを誘導するための大きな役割を担いました。カスタマイズ可能な YouTube ブランドチャンネルを使い、エンターテイメントを楽しむ YouTube ユーザーに対し、アバターメーカーなどキャンペーンサイトと異なるコンテンツを用意しました。また、YouTube トップページにマストヘッド広告を掲載し、サンダーバードをフックにブランドチャンネルへの誘導をおこなっています。

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「最初は今回のターゲットに YouTube はあまり合致しないと思っていましたが、実際には 40 代、50 代も多く利用していることがわかりました。」(長谷川氏)

YouTube には『YouTube インサイト』という動画を視聴したユーザーのデモグラフィックや視聴動向など匿名の統計情報を把握できる分析機能があります。このインサイトにより、40 代、50 代、かつ男性を中心に動画が視聴されていることが検証され、当初ターゲットとしていたユーザーへのリーチに成功しました。また、キャンペーンサイトに設定した Google Analytics でキャンペーンサイトの流入元を確認したところ、YouTube からの流入が多く、他の流入元サイトと比べて最も高い数値を記録しました。

[協和発酵キリンブランドチャンネルの YouTube インサイトによる統計情報 ※開始 1 ヶ月時点]

「キャンペーンサイトの訪問者の行動を分析してみても、直帰率が少なく、きちんとサイトを見てくれるユーザーが集まりました。YouTube のブランドチャンネルを通じ、まさにターゲットとする世代のユーザーと接点を持つことができたのが要因であると考えています。」(長谷川氏)

「抗体医薬という難しいテーマに対する理解を深めるため、段階を区切ってストーリーを追加していきました。何度もサイトを訪れてもらうため、キャンペーンサイトや YouTube ブランドチャンネル内のコンテンツもスケジュールを組んで更新するようにしています。」
協和発酵キリン株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報担当マネジャー 薬学博士 長谷川一英氏


Google ディスプレイネットワークについてはこちらのページを、その他の活用事例については、こちらのページをご確認ください。

* Source: Nielsen Online NetView, May 2011 (パネル種別: Home and Work)