Posted by Brad Bender プロダクト マネジメント ディレクター

Google では数年前に、インタレスト ベース広告とリマーケティング機能を導入し、広告主様の商材に関心があるユーザーや、広告主様のサイトを訪問したことがあるユーザーにアプローチする手段を提供してきました。

以来、広告主様やサイト運営者様より、広告の投資収益率向上やサイトの収益化にこの機能が役立ったという声を多く頂いています。またユーザーに対しては、「広告の表示について」リンクや「広告表示設定」、広告のミュート機能など、表示される広告を細かく管理する手段を提供しています。

今回 Google では、広告主様のご意見に応えて、新たに次の改良を加えることになりました。
  • 一つのリマーケティング タグで複数のリストを定義できるように

  • これまで、例えば時計の商品ページの訪問者と靴の商品ページの訪問者に対して異なる広告を掲載するためには、複数のリマーケティング タグを発行してそれぞれのページに埋め込む必要がありました。

    これからは、単一のリマーケティング タグをサイトに埋め込むだけで、リストを何個でも定義できるようになります。たとえば、URL に文字列「watch」を含むページの訪問者を「時計に興味があるユーザー」と定義し、時計の広告の表示対象とすることができます。詳細についてはこちらをご覧ください。

  • Google アナリティクスのタグでリマーケティングが利用可能に

  • 現在、Google アナリティクスをご利用の広告主様がリマーケティングを行うには、アナリティクスのタグに加え、AdWords のリマーケティング タグを発行する必要があります。

    Google ではこの手順の簡略化を進めています。将来的には、アナリティクスの管理画面からタグに少し手を加えるだけで、すぐにリマーケティング リストを作成できるようになる予定です。

    AdWords のリマーケティング タグで作成したリストと同様、このリストも Google ディスプレイ ネットワークで使用することができます。詳細についてはこちら(英語のみ)をご覧ください。

  • 新規顧客へのアプローチ

  • Google ではこのほか、見込み顧客に広告を表示する機能や、幅広いユーザーにアピールする機能の改善を進めています。

    例えば今後、サイト訪問者だけでなく、リマーケティング リスト内のユーザーと類似するユーザーに対しても広告を掲載できるようになる予定です。

    また、サイトへの訪問履歴の有無をもとに検索キャンペーンをカスタマイズするテスト機能(英語のみ)のリリースも進められています。(リマーケティング リストを使用した機能です。)
オンライン広告が最大限の効果を発揮すれば、広告主様は効果的にユーザーにアピールでき、サイト運営者様もコンテンツの収益化が可能になります。ユーザーにとっても、有用な広告が表示されるようになります。Google はこれからも、オンライン広告の効果を高めるためのツールの開発に尽力していきます。

* 補足(2012 年 7 月 31 日追記)

上記のうち、現時点で日本の広告主様にご利用いただけるのは、1 つ目でご紹介した「単一のリマーケティング タグで複数のリストを定義する」機能です。

その他の機能に関しては現在、機能の改善やリリースに向けた準備を進めています。ご提供開始まで今しばらくお待ちください。


メディア & エンタテインメント業界担当 アカウントマネージャー 是澤 優和

2008 年の誕生以来、370 万を超える人々が視聴する有料多チャンネル事業と衛生放送事業を両輪とし、ハイブリッドな強みを活かした事業を展開するスカパー JSAT 株式会社。業界に先駆けた取り組みで多チャンネル放送の魅力と楽しさを広げるとともに、社会の安心・安全を支える役割を果たしています。

同社は従来より J リーグの放映をしており、テレビ CM を地域ごとに配信し、テレビ観戦に誘導してきたものの、テレビを見ない人にはリーチしにくいという課題がありました。今回、2012 年の J リーグ開幕にあたってはテレビ業界としては初めての取り組みとなりますが、主要ファン層の 10 代〜 30 代の男性にテレビ以外で投資対効果高くリーチさせるため、Google AdWords の配信方法の 1 つである TrueView インストリーム広告を採用しました。

TrueView インストリーム広告利用の狙い

TrueView インストリーム広告は Google AdWords で動画広告を配信することができる広告フォーマットです。YouTube のパートナー動画をターゲットに、動画再生ページでプレロールまたはミッドロールとして掲載されます。ユーザーは、動画広告を「視聴する」か、もし興味がない場合は「スキップする」を選択することができます。広告が 5 秒間再生された後、広告をスキップするか残りの部分を見るかを視聴者自身が選択することができるため、本当に視聴をしたい人にだけ広告メッセージを届けることができます。この広告フォーマットの大きな特徴は課金方式(Cost per View)にあり、広告料金が発生するのは、視聴者が広告を 30 秒間(それより短い広告は最後まで)見た場合のみとなっています。

テレビでは接触できない層に投資対効果高くリーチを拡大することが、今回同社が TrueView インストリーム広告を採用した理由でした。従来はテレビ CM からテレビ観戦へと誘導してきましたが、普段はあまりテレビを見ない人にアプローチするには YouTube で「J リーグ開幕」のニュースを伝え、テレビ観戦へ誘導することが有効ではないかと考えました。

TrueView インストリーム広告では、ユーザーは動画広告を視聴するか、もし興味がない場合はスキップすることができます。J リーグに興味があり、動画をすべて視聴したユーザーのみが課金対象となるこの広告フォーマットであれば、効率的にリーチ拡大を実現することができると考えました。

また、J リーグのファンは、「自分の住む地域のチームには、興味がある」という特徴があるために、ファンを確実に誘導するためにはファン心理に合わせてメッセージを最適化してリーチすることが必要になります。TrueView インストリーム広告は Google AdWords が持つ精緻なターゲティング機能を活用し、デモグラフィック別にクリエイティブを使い分け、最適なメッセージを届けられるということも、利用を決定した理由の 1 つでした。



7エリアには各地域別に合わせたクリエイティブを配信
その他都道府県には同一のクリエイティブを配信し、効果を検証


TrueView インストリーム広告の掲載は Google AdWords の管理画面から簡単に設定ができます。今回は、J リーグファンに効率的にリーチするために、デモグラフィック(地域)とインタレスト カテゴリ(ユーザーの興味・関心のジャンルのスポーツ、スポーツ観戦)で配信対象を設定しました。また、北海道、新潟、長野、静岡、愛知、関西、佐賀の 7 エリアには、地域ごとのチームにフォーカスしたクリエイティブで地域別動画を配信した一方で、その他の都道府県には共通の動画を配信しました。

 

Google AdWords の管理画面では、広告掲載効果を確認し、どの広告が良いパフォーマンスを示しているかをすぐに把握することができます。今回のキャンペーン結果を分析したところ、約 1 ヶ月の間で、キャンペーン全体で約 160 万回もの動画再生回数を獲得しました。

さらに、同一クリエイティブを配信したそれ以外の都道府県と比較すると、地域別のクリエイティブを作成・配信した 7 エリアは、10 %近く高い動画再生率となりました。適切なメッセージを適切なターゲットに向けて配信することで、ターゲット層に的確にリーチし、十分な視聴回数を得ることに成功しました。また、エリア別に異なる動画を用意し、ターゲットの興味・関心にあったクリエイティブを展開することで高い動画再生率を実現できました。

完全視聴したユーザーだけが課金対象、視聴単価を大きく抑えることに成功

Google AdWords はオークションベースの課金システムのため、広告掲載パフォーマンスに応じて予算をコントロールすることができます。さらに、TrueView インストリーム広告は、広告が表示された時点では課金対象とはならず、視聴者が広告を 30 秒間(それより短い広告は最後まで)見た場合のみ課金される広告フォーマットとなっています。

今回のキャンペーンの広告配信後のレポートを分析したところ、TrueView インストリーム広告を利用したことで、平均広告視聴単価は 1 広告視聴あたり約 3 円と視聴単価を大きく抑えることができました。つまり、TrueView インストリーム広告では、届けたいメッセージを十分に視聴してくれたユーザーの視聴分のみの課金となり、途中で視聴をやめたユーザーにはコストを発生させることがないため、効率的な投資機会となったと考えられます。

担当者の松元氏は、「TrueView インストリーム広告によってこれまでも活用していた Google AdWords から YouTube へ動画広告を掲載できるのは、利用のメリットの一つです。精緻なターゲティングで興味のある人だけに効果的にアプローチできるのが魅力なので、今後も配信対象とクリエイティブのパターンを比較し、効果的なアプローチをみつけていきたいと考えています。」と、今後も継続的な利用を検討されています。

「テレビ CM でも地域別のクリエイティブを展開してきましたが、TrueView インストリーム広告の良い点は、Google AdWords の配信対象設定を活用して精緻なターゲティングができることです。さらに、動画配信後にデータを入手でき効果が分析できるため、次の施策に活かすことができるのもメリットだと思います。」
スカパー JSAT 株式会社
マーケティング本部プロモーション部
アシスタントマネージャー 広告宣伝チーム 松元 圭 氏




Posted by AdWords カスタマーサポート チーム

3 月 27 日にこのブログで紹介した「AdWords ビジュアル ナビ」では、随時、皆様からの要望に応じてコンテンツを追加しております。本日は、その中からカスタマーサポート チーム一押しのコンテンツを 3 つご紹介します。

チェックシート基礎編
AdWords の効果改善には、「適切な基本設定」と「定期的なメンテナンス」が必要不可欠です。効果改善のために確認すべき項目を、チェックシート形式でまとめました。基礎編では、下記の 3 つの Step に沿って、アカウントの立ち上げから、どのように効果拡大を図っていくかまでを解説しております。



※ 応用編につきましては、近日中に公開予定です。


広告設定オプション: 広告サイトリンク
既存のサイトリンクの設定資料に加え、お客様のビジネスの違いや季節性などを含めて、テキストやリンク先を有効に活用するためのヒントを追加しました。


  

コンバージョン トラッキング
コンバージョンを計測することは、AdWords 広告の収益性を可視化し、効果を最大化するうえで欠かすことができません。「ウェブ マーケティングのゴールは何か」、「誘導してきたユーザーがウェブページ上でどのような行動をとることが成功指標か」を明確にし、コンバージョンを計測してください。


時折、お客様からホームページの構造や、提供している商材・サービスの特性上、コンバージョン トラッキングの導入が難しいというお声を頂戴しますが、下記の例を参考に、ぜひ導入を検討頂ければ幸いです。

 

なお、AdWords ビジュアル ナビでは運用に関するアドバイスを掲載しています。こちらのアドバイスは過去の運用実績に基づいてのご提案ですが、全ての広告主様に等しく効果の保証をするものではございません。あくまでお客様のビジネスやターゲットとする顧客層により異なる点があることをご了承ください。

また、コンテンツは随時更新しておりますが、最新の機能については AdWords ヘルプセンターにてご確認いただくことをおすすめいたします。

posted by Subha Subramanian, 柔軟なリーチ プロダクト マネージャー

先日、ディスプレイ ネットワークでの広告運用を効率化するため、 [ ディスプレイ ネットワーク ] タブを AdWords 管理画面に追加いたしました。

このタブには、ディスプレイ ネットワークを対象とするターゲット設定、入札単価設定、最適化の機能がまとめられています。

そしてこのたび、この [ディスプレイ ネットワーク] タブでの管理がさらに柔軟になるよう、柔軟なリーチ機能を追加することになりました。

今後、AdWords の [設定] タブの [ネットワークとデバイス] セクションに、「柔軟なリーチ」を有効にするチェック ボックスが表示されるようになります。

この設定を有効にすると、広告の掲載先をキャンペーン単位ではなく広告グループ単位で設定できるようになります。



変更のメリット

これまで、ディスプレイ ネットワークにおけるターゲット設定方法(キーワード、プレースメント、インタレスト カテゴリなど)の組み合わせ方法( [広範囲] か [特定の範囲] )は、キャンペーン単位で選択していただいておりました。
  • [広範囲] :メインのターゲット設定に一致していれば、他のターゲット設定方法に一致していないページにも広告が表示されます。(他のターゲット設定方法は、入札単価を調整するために使用されます。)
  • [特定の範囲] :指定したターゲット設定方法に すべて一致するページにのみ広告が表示されます。
「柔軟なリーチ」を有効にすると、広告グループ単位で複数のターゲット設定方法を組み合わせ、これらを入札単価の調整のみに使用するか、それとも広告の掲載先を絞り込むために使用するかを選べるようになります。

また、ターゲット設定がキャンペーンのリーチや表示回数におよぼす影響についてもデータが得られます。

今回の変更によるキャンペーンへの影響

今年中にはキャンペーン単位での [広範囲] と [特定の範囲] の選択肢がなくなり、「柔軟なリーチ」に統一される予定です。

一度「柔軟なリーチ」を有効にしたキャンペーンでは、元のキャンペーン設定に戻すことはできなくなり、それ以降に作成した広告グループでは柔軟なリーチが適用されます。

「柔軟なリーチ」を有効にした後も、現在のターゲット設定や入札単価設定がそのまま適用されますが、その後は個々の広告グループ単位でターゲット設定を変更できるようになります。

詳細について
柔軟なリーチの詳細については、AdWords ヘルプセンターをご覧ください。

Posted by AdWords API Team

AdWords API の新しいバージョン v201206 がリリースされました。新しいバージョンでは、ディスプレイ ネットワークにおけるターゲティングを広告グループ単位で設定できる 柔軟なリーチ、SQL のような構文でより柔軟に対象を選択できるようになった新しい問い合わせ方法、新しいレポート タイプ、 などの変更が含まれています。

以下に主な変更点をご紹介しますが、詳細を確認したい場合はリリース ノート(英語)をご覧ください。

v201206 の特徴:
  • CampaignService, AdGroupService で 広告グループ単位での設定が可能に
柔軟なリーチの設定を有効にすると、これまでご利用いただいていたキャンペーン単位のターゲティングに代わって広告グループ単位でのターゲティングが可能になります。なお、一度柔軟なリーチの設定を有効にしたキャンペーンは以前の設定には戻せませんのでご注意ください。
  • カスタマー情報を取得する新しいサービス
v201206, v201109, v201109_1 において新しく ManagedCustomerService, CustomerService が使えるようになっています。v201206 からは ServicedAccountService, CreateAccountService はこの新しいサービスに代わり、廃止されることになります。
  • 新しいレポート
クリックに関する情報を取得する CLICK_PERFORMANCE_REPORT と、REACH_FREQUENCY のレポートがアカウント単位、キャンペーン単位、広告グループ単位で使用可能になっています。
  • AWQL
AdHoc レポートを含むいくつかのサービス(英語)で、SQL の構文のような AdWords Query Language が使用可能になっています。
  • その他の変更
AdSchedule ターゲティングが CampaignCriterionService に移行され、CampaignTargetService はサービス提供終了となりました。
v201206 のリリースにともない、以前のバージョンは以下のスケジュールでサービス提供終了となります。
  • v13 AccountService - 2012 年 8 月 20 日に提供終了されます
  • v201109, v201109_1 - 2012 年 10 月 26 日に提供終了されます
AdWords API の新しいバージョンがリリースされるたびに、AdWords API リリース ノート(英語)をご覧になることをお勧めいたします。もしご質問ありましたら、AdWords API forum (英語)AdWords API Office Hours(現状は英語のみ提供)にてお気軽にお知らせください。


このたび、AdWords Editor のバージョン 9.8 をリリースいたしましたのでお知らせいたします。

新しいバージョンには、動的検索広告と商品リスト広告を追加、編集する機能に加え、ターゲット地域を簡単に編集できる機能が追加されました。主な変更点は次のとおりです。

ターゲット地域の運用がさらに簡単に
[ターゲット設定] タブに追加された新たな [地域] タブにより、ターゲット地域の追加、変更、コピーがさらに簡単になりました。

動的検索広告と商品リスト広告をサポート
これらの広告フォーマットそれぞれに専用のタブが追加され、対応する広告はこのタブで表示、変更、追加できるようになりました。また、動的広告ターゲットと商品ターゲットも、新たな 2 つのターゲット タブで管理できるようになりました。

このほか、トピック ターゲット、送信、CSV のインポートなど、その他の機能の改善も行いました。変更内容の詳細については、バージョン 9.8 のリリース ノートをご覧ください。

次回 AdWords Editor を起動すると、バージョン 9.8 にアップグレードするためのメッセージが表示されます。未送信の変更内容やコメントを維持する方法など、アップグレードの詳細についてはこちらの手順をご覧ください。また、こちらのサイトから、バージョン 9.8 をダウンロードしていただくこともできます。

注: 今後 4 か月間は、アップグレード期間として 旧バージョンのサポートが継続されます。AdWords Editor のご利用に支障が出ないよう、2012 年 10 月 28 日までにアップグレードしてください。