モバイルサイトのユーザー エクスペリエンスを改善し、 応募数の拡大に成功
2015年3月9日月曜日
Posted by 水谷 嘉仁 - パフォーマンス ソリューション エキスパート 近藤 なつ美 - アカウント マネージャー
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」や転職求人サイト「ジョブセンスリンク」など、インターネット メディアを運営する株式会社リブセンス。ユーザー ニーズが多様化し、ダイナミックに移り変わる市場環境に、柔軟かつスピーディーに対応するビジネス戦略が求められています。この事例では、モバイルサイトと PC サイトのユーザー エクスペリエンスを改善し、特にモバイルからの応募数の拡大に成功した取り組みをご紹介します。
株式会社リブセンスは、成果報酬型ビジネス モデルを活用したアルバイト求人サイト「ジョブセンス」などを中心に事業を拡大してきました。さらなる拡大に向けて、コンバージョン(応募)数増加のための選任プロジェクト チームを 2014 年 10 月に立ち上げました。目標達成のためにチームが選択した戦略は、モバイルと PC サイトのユーザー エクスペリエンスを徹底的に分析、改善し、コンバージョン率を上げるというものでした。そして、近年流入が増えているモバイルサイトでのコンバージョン数拡大に注力する方針としました。
多様なコンバージョン経路を分析するため、同一セッション内でコンバージョンした場合だけでなく、一旦離脱した後にコンバージョンした場合のデータを収集しました。そしてコンバージョン パスのページ遷移をモバイルと PC サイト別に分析し、コンバージョンに対する貢献度が高いページから優先的に改善に取り組みました。
ページの改善策を決めるにあたっては、世界中 100 以上の主要ウェブサイトを研究したり、Google の提唱する [モバイルサイトの 25 の設計指針] を参考にしたりと、約 70 の改善策を考案しました。その中でも、コンバージョンに対する貢献度が最も高かったモバイルの応募フォームの改善は、求人情報を掲載いただくお客様との調整が必要でした。そのため営業チームと協力するなど社内外の協力を得ながら、必須入力項目を可能な限り簡略化し、応募フォームの長さを約半分にまで改善しました(図 1 参照)。
(図 1)応募フォームの改善例
さらにリアルタイムで入力エラーを表示したり、1 度応募したユーザーに対して前回の必須入力項目を自動で補完したりするなど、ユーザーの入力作業の効率化も行いました。この他に、求人詳細ページの検索結果を並べ替える機能を追加しました。
また、求人情報の比較検討が簡単にできるようにするなど(図 2 参照)、最終的には約 40 個の改善策を実行しました。
施策は段階的に導入し、専任の開発リソースを確保して継続的に A/B テストを行うなど、効果を検証しながら進めました。
(図 2)求人詳細ページの改善例
今回テストを実施した改善策のうち、十分な効果が確認されたものは約 25 個ありました。なかでもモバイルの応募フォームの簡略化が予想通り最も効果があり、コンバージョン率(応募率)は 約 17 ポイントも改善されました。
全体のコンバージョン率については、テストを開始した 2014 年 10 月を基準として 12 月時点で約 20 ポイントの改善となりました(図 3 参照)。またモバイルのコンバージョン数についても、2014 年 10 月を基準として 12 月時点で 56 ポイント改善しています(図 4 参照)。
リブセンスでは、2014 年 9 月末から改善案の検討を開始し、すぐに改善を実施しました。さらに、結果の検証も 12 月末までに完了させました。ユーザーの変化に柔軟に対応するためにスピーディーに取り組んだことも大きな成功要因と言えるでしょう。
(図 3)全体コンバージョン率の推移 (図 4)モバイル コンバージョン数の推移
今回の成果を受けリブセンスでは、プロジェクト終了後も定常的に A/B テストを繰り返し、ユーザーの反応を確認する体制に移行しています。検討した改善案のうち、まだ未実施なものを優先的にテストしつつ、予想に反した結果のものを再検証する予定です。検索から応募完了までのステップをできるだけ短くする工夫など、従来のサイト導線にとらわれない改善施策も含め、継続的に模索しています。
「ジョブセンスでは、求職者のスマートフォン利用が増える中、本格的な UI 向上の必要性を感じていました。今回プロジェクト化することによって、未着手となっていた課題の改善だけでなく、チーム全体が改めてユーザー視点に立ち新たな発見をすることができました。
A/B テストを始めた当初は、ボタンの色や文言などの細かいテストで満足してしまいがちだったのですが、テストを重ねるうちに、単なる求人サイトの延長線ではなく、改めてユーザーにとって求人サイトは本来どうあるべきなのか?を徹底的に考えるようになりました。また、Google さんから助言を受けつつ、国内外で様々な事例を調査したことで幅広い施策を数多く実施でき、短期間でのコンバージョン向上に繋がったと思います。
今後もジョブセンスのサービス ビジョン、『ユーザーの未来を輝かせる』の実現に向け、ユーザー視点に立ったサービスづくりに注力していきます。」
株式会社リブセンス アルバイト事業部 メディアグループ 三山 晋大朗 氏
*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
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株式会社リブセンス
http://www.livesense.co.jp/
ジョブセンス(http://j-sen.jp/)
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」をはじめ、転職求人サイト「ジョブセンスリンク」、派遣社員求人サイト「ジョブセンス派遣」、不動産賃貸サイト「door賃貸」 、転職クチコミ サイト「転職会議」などのインターネット メディアを運営
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」や転職求人サイト「ジョブセンスリンク」など、インターネット メディアを運営する株式会社リブセンス。ユーザー ニーズが多様化し、ダイナミックに移り変わる市場環境に、柔軟かつスピーディーに対応するビジネス戦略が求められています。この事例では、モバイルサイトと PC サイトのユーザー エクスペリエンスを改善し、特にモバイルからの応募数の拡大に成功した取り組みをご紹介します。
導入の背景と戦略
株式会社リブセンスは、成果報酬型ビジネス モデルを活用したアルバイト求人サイト「ジョブセンス」などを中心に事業を拡大してきました。さらなる拡大に向けて、コンバージョン(応募)数増加のための選任プロジェクト チームを 2014 年 10 月に立ち上げました。目標達成のためにチームが選択した戦略は、モバイルと PC サイトのユーザー エクスペリエンスを徹底的に分析、改善し、コンバージョン率を上げるというものでした。そして、近年流入が増えているモバイルサイトでのコンバージョン数拡大に注力する方針としました。
施策における工夫とポイント
多様なコンバージョン経路を分析するため、同一セッション内でコンバージョンした場合だけでなく、一旦離脱した後にコンバージョンした場合のデータを収集しました。そしてコンバージョン パスのページ遷移をモバイルと PC サイト別に分析し、コンバージョンに対する貢献度が高いページから優先的に改善に取り組みました。
ページの改善策を決めるにあたっては、世界中 100 以上の主要ウェブサイトを研究したり、Google の提唱する [モバイルサイトの 25 の設計指針] を参考にしたりと、約 70 の改善策を考案しました。その中でも、コンバージョンに対する貢献度が最も高かったモバイルの応募フォームの改善は、求人情報を掲載いただくお客様との調整が必要でした。そのため営業チームと協力するなど社内外の協力を得ながら、必須入力項目を可能な限り簡略化し、応募フォームの長さを約半分にまで改善しました(図 1 参照)。
(図 1)応募フォームの改善例
さらにリアルタイムで入力エラーを表示したり、1 度応募したユーザーに対して前回の必須入力項目を自動で補完したりするなど、ユーザーの入力作業の効率化も行いました。この他に、求人詳細ページの検索結果を並べ替える機能を追加しました。
また、求人情報の比較検討が簡単にできるようにするなど(図 2 参照)、最終的には約 40 個の改善策を実行しました。
施策は段階的に導入し、専任の開発リソースを確保して継続的に A/B テストを行うなど、効果を検証しながら進めました。
(図 2)求人詳細ページの改善例
施策後の成果
今回テストを実施した改善策のうち、十分な効果が確認されたものは約 25 個ありました。なかでもモバイルの応募フォームの簡略化が予想通り最も効果があり、コンバージョン率(応募率)は 約 17 ポイントも改善されました。
全体のコンバージョン率については、テストを開始した 2014 年 10 月を基準として 12 月時点で約 20 ポイントの改善となりました(図 3 参照)。またモバイルのコンバージョン数についても、2014 年 10 月を基準として 12 月時点で 56 ポイント改善しています(図 4 参照)。
リブセンスでは、2014 年 9 月末から改善案の検討を開始し、すぐに改善を実施しました。さらに、結果の検証も 12 月末までに完了させました。ユーザーの変化に柔軟に対応するためにスピーディーに取り組んだことも大きな成功要因と言えるでしょう。
(図 3)全体コンバージョン率の推移 (図 4)モバイル コンバージョン数の推移
今後の展望
今回の成果を受けリブセンスでは、プロジェクト終了後も定常的に A/B テストを繰り返し、ユーザーの反応を確認する体制に移行しています。検討した改善案のうち、まだ未実施なものを優先的にテストしつつ、予想に反した結果のものを再検証する予定です。検索から応募完了までのステップをできるだけ短くする工夫など、従来のサイト導線にとらわれない改善施策も含め、継続的に模索しています。
「ジョブセンスでは、求職者のスマートフォン利用が増える中、本格的な UI 向上の必要性を感じていました。今回プロジェクト化することによって、未着手となっていた課題の改善だけでなく、チーム全体が改めてユーザー視点に立ち新たな発見をすることができました。
A/B テストを始めた当初は、ボタンの色や文言などの細かいテストで満足してしまいがちだったのですが、テストを重ねるうちに、単なる求人サイトの延長線ではなく、改めてユーザーにとって求人サイトは本来どうあるべきなのか?を徹底的に考えるようになりました。また、Google さんから助言を受けつつ、国内外で様々な事例を調査したことで幅広い施策を数多く実施でき、短期間でのコンバージョン向上に繋がったと思います。
今後もジョブセンスのサービス ビジョン、『ユーザーの未来を輝かせる』の実現に向け、ユーザー視点に立ったサービスづくりに注力していきます。」
株式会社リブセンス アルバイト事業部 メディアグループ 三山 晋大朗 氏
*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
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株式会社リブセンス
http://www.livesense.co.jp/
ジョブセンス(http://j-sen.jp/)
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