Posted by エンジニアリング担当上級副社長、シュリダール ラマスワミ

Google AdWords ではこの度、現在のキャンペーンのアップグレード版である「エンハンスト キャンペーン」(Enhanced Campaigns) を提供することになりました。これは、現在急速に進んでいるマルチスクリーンの世界で、キャンペーンをよりシンプルに、そしてよりスマートに管理するための最初のステップです。

エンハンスト キャンペーンを展開する理由

マルチスクリーン時代の消費者は、コミュニケーションやショッピングを行ったり、オンラインの世界を楽しむために、さまざまな端末を利用しています。最新の調査 (PDF 版、米国版/英語のみ)では、複数のデバイスを利用する消費者の 90% が 1 日のうちにそれらの端末間を「途切れることなく」移動していることが明らかになっています。また、 PC 、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、ハイブリッド端末、ミニタブレット、ネット接続型テレビなど、インターネットへ接続する端末の数や種類は急増しています。今後も様々なデジタル端末が登場するにつれ、境界線は一層曖昧になると予測されます。たとえば、端末が集約の方向に向かうと、消費者がタブレットとデスクトップを使ってとる行動はかなり類似したものになるでしょう。 

これは企業にとって大きなチャンスではあるものの、マーケティングはさらに複雑になり、これまで以上に時間もかかります。たとえばあるピザ レストランが、午後 1 時に職場の PC で「ピザ」と検索する人には、オンラインの注文フォームやメニューへのリンクなどを表示し、午後 8 時にレストランの 1 キロ圏内からスマートフォンで「ピザ」と検索する人に対しては、Click-to-Call による電話番号やレストランの位置などを表示したいと考えているとしましょう。この場合、消費者に的確な広告を表示するためには、場所や時間、使用している端末の種類といった条件を踏まえることがますます重要になっているのです。

エンハンスト キャンペーンを利用すると、前述のピザ レストランは複数の異なるキャンペーンのレポートや広告設定オプションを集めて比較することなく、すべてを 1 つのキャンペーンで管理することが可能になります。また、複数のキャンペーンの設定や管理を行うことなく、場所や時間、端末の種類といったユーザーの状況に基づき、あらゆる端末を対象に最適な広告を消費者に届けることができます。
   
エンハンスト キャンペーンの主な機能

主な機能の概要は次の通りです。

1. マルチスクリーンの世界に対応する強力なマーケティング ツール

消費者が求めるのは、端末、場所、時間など、自分の状況に関連する検索結果です。エンハンスト キャンペーンでは、こうしたマルチスクリーンの世界に向けたキャンペーンや予算の管理を改善することができます。また、入札調整では、1 つのキャンペーン内の端末、場所、時間などのあらゆる要素について、入札を管理することが可能です。

例:朝食を提供するコーヒーショップが、スマートフォンで「コーヒー」や「朝食」と検索する地域内の消費者に広告を表示したいと考えています。この場合は入札調整を使って、1 キロ圏内からの検索には 25% 高く、午前 11 時以降の検索には 20% 低く、スマートフォンからの検索には 50% 高く、入札することができます。この入札調整は、 1 つのキャンペーンに含まれるすべての広告とキーワードに適用されます。

2. ユーザーの置かれた状況に応じて最適化される、より高度な広告

外出中で店舗の近くにいる消費者とデスクにいる消費者では、同じ人物でも求めているものが違う場合もあるでしょう。エンハンスト キャンペーンでは、端末、場所、時間の組み合わせごとにキャンペーンを作成しなくても、端末に応じて適切な広告テキスト、サイトリンク、アプリ、広告設定オプションを表示することができます。

例:実店舗とオンラインでの販売を展開する全国的な小売店では、 スマートフォンで検索を行う消費者に Click-to-Call や住所の表示が含まれる広告を、そして PC で検索を行う消費者に E コマースサイトの広告を 1 つのキャンペーンで表示することが可能です。

3. 新しいコンバージョン タイプを集計する先進的なレポート

テクノロジーにより、消費者は広告に対して新しい方法で行動を起こせるようになっています。潜在顧客は広告を見てアプリをダウンロードすることもあれば、電話で問い合わせを行うこともあるでしょう。マーケターがこうした行動を容易に計測したり、比較するのはこれまで困難なことでした。エンハンスト キャンペーンでは、アプリのダウンロードを目標とする広告主様のために、より充実したコンバージョン レポート機能をご用意しています。

例 : レポート上ではアプリのダウンロードやデバイスごとの統計情報を確認することができます。

エンハンスト キャンペーンへのアップグレード

エンハンスト キャンペーンは現在移行期間です。今後、エンハンスト キャンペーンと従来のキャンペーン設定のどちらを利用するか、キャンペーンごとに選択できるようになります。 すべてのキャンペーンが 、2013 年の中旬頃までにエンハンスト キャンペーン にアップグレードされる予定です。

エンハンスト キャンペーンはマルチスクリーンの世界におけるマーケティング活動のサポートをするために設計されています。ただし、移行にはいくつかの変更が必要になる場合があります。下記は変更の際に役立つ情報です。
(英語のみのものもあります。日本語は随時、更新していきます)

この先、数週間にわたって、ブログ「Inside AdWords」や Google+ ページでヒントや成功事例とともに、新しい機能を発表する予定です。ぜひご意見をお寄せください。

2013 年 5 月 8 日追記
すべてのキャンペーンの自動アップグレードが開始される時期は、7 月 22 日(米国時間)の予定です。

Posted by Mark Martel - Google Ads チーム

今年 5 月に実施した広告ローテーションの機能の変更に対し、皆様から数多くのご意見をお寄せいただきました。6 月にはそのフィードバックに応え、いくつかの対策を講じました。まず、 [均等にローテーション] を選択したキャンペーンで広告が均等に表示される期間を、30 日から 90 日に延長しました。そして、無期限での均等配信をご希望の方には、 5 月以前と同様の仕様をご利用いただくための申請フォームをご用意いたしました。

またその際、皆様からのご要望次第では、広告を無期限で均等に配信するための選択肢を管理画面に追加する可能性がある旨をお知らせしておりました。

AdWords 管理画面で [無期限で均等に表示] を選択できるように

現在無期限での均等配信を利用されているアカウントは全体の 1% 未満ですが、この度 AdWords 管理画面から直接、[無期限で均等に表示] オプションを選べるようになりました。

[無期限で均等に表示] を選択すると、掲載結果の良し悪しを問わず、広告グループ内の複数の広告が同程度の頻度で表示されます。この設定を選ぶと、クリック数が減少するとともにクリック単価が上昇し、広告の掲載順位が低下する可能性があります。キャンペーンの掲載結果に悪影響を与える可能性があるため、一般的にはおすすめしていない設定方法ですが、ご都合に応じてご利用ください。

広告ローテーションの設定を変更するには、AdWords 管理画面で変更したいキャンペーンを選択し、 [設定] タブをクリックします。次に、[詳細設定] セクションで、[広告配信: 広告のローテーション、フリークエンシー キャップ] をクリックします。

フォームによる設定変更依頼の受付終了

AdWords 管理画面から直接設定を変更できるようになったため、フォームによる変更依頼の受付は終了いたします。既にフォームを通じて申請いただいているアカウントについては、現在 [均等にローテーション] が選択されているキャンペーン設定を、10 月下旬に Google 側で [無期限で均等に表示] に変更いたします。新しく作成するキャンペーンについては、これまでにフォーム経由でご連絡いただいているかどうかを問わず、管理画面で直接設定を行なってください。

皆様からいただくご意見について

AdWords で機能変更を行う際は、ユーザーと広告主様の両方に対する影響を調べるため、入念なテストを行っています。同時にまた、皆様からいただくフィードバックやご提案は、AdWords のサービスを改善していく上で欠かせない重要な材料となっています。AdWords サポート チームに寄せられるご意見、 AdWords フォーラム、Google+ ページといったソーシャルチャネル、そして AdWords について触れている様々なサイトなどを通して、引き続き皆様の声に耳を傾けてまいります。

posted by Subha Subramanian, 柔軟なリーチ プロダクト マネージャー

先日、ディスプレイ ネットワークでの広告運用を効率化するため、 [ ディスプレイ ネットワーク ] タブを AdWords 管理画面に追加いたしました。

このタブには、ディスプレイ ネットワークを対象とするターゲット設定、入札単価設定、最適化の機能がまとめられています。

そしてこのたび、この [ディスプレイ ネットワーク] タブでの管理がさらに柔軟になるよう、柔軟なリーチ機能を追加することになりました。

今後、AdWords の [設定] タブの [ネットワークとデバイス] セクションに、「柔軟なリーチ」を有効にするチェック ボックスが表示されるようになります。

この設定を有効にすると、広告の掲載先をキャンペーン単位ではなく広告グループ単位で設定できるようになります。



変更のメリット

これまで、ディスプレイ ネットワークにおけるターゲット設定方法(キーワード、プレースメント、インタレスト カテゴリなど)の組み合わせ方法( [広範囲] か [特定の範囲] )は、キャンペーン単位で選択していただいておりました。
  • [広範囲] :メインのターゲット設定に一致していれば、他のターゲット設定方法に一致していないページにも広告が表示されます。(他のターゲット設定方法は、入札単価を調整するために使用されます。)
  • [特定の範囲] :指定したターゲット設定方法に すべて一致するページにのみ広告が表示されます。
「柔軟なリーチ」を有効にすると、広告グループ単位で複数のターゲット設定方法を組み合わせ、これらを入札単価の調整のみに使用するか、それとも広告の掲載先を絞り込むために使用するかを選べるようになります。

また、ターゲット設定がキャンペーンのリーチや表示回数におよぼす影響についてもデータが得られます。

今回の変更によるキャンペーンへの影響

今年中にはキャンペーン単位での [広範囲] と [特定の範囲] の選択肢がなくなり、「柔軟なリーチ」に統一される予定です。

一度「柔軟なリーチ」を有効にしたキャンペーンでは、元のキャンペーン設定に戻すことはできなくなり、それ以降に作成した広告グループでは柔軟なリーチが適用されます。

「柔軟なリーチ」を有効にした後も、現在のターゲット設定や入札単価設定がそのまま適用されますが、その後は個々の広告グループ単位でターゲット設定を変更できるようになります。

詳細について
柔軟なリーチの詳細については、AdWords ヘルプセンターをご覧ください。

Posted by Nick Fox - プロダクト マネジメント担当副社長

先月お知らせしましたように、5 月より AdWords の広告のローテーション設定の仕様が変更されています。具体的には、[均等にローテーション] が選択されているキャンペーンで、複数の広告をローテーションで 30 日間表示した後は、成果の高い広告がより多く表示されるようになりました。

今回の変更について数多くのご意見をいただき、ありがとうございました。いただいたご意見は、慎重に検討させていただきました。特に多かったご意見は、(1)今回の変更を無効にする手段がない、(2)新しい広告をテストするには、 30 日より長い期間が必要となる場合がある、というものでした。また、変更の理由についてもご質問をいただきました。

そこでまず、この度の変更の理由について詳しくご説明いたします。Google でテストした結果、新しい [均等にローテーション] 設定のもとでは、質の高いトラフィックをより効率的に増やしていただけることが検証されています。これにより、広告主様のクリック率が平均的に向上し、コンバージョン数も増加することが確認されています。

たとえば、広告 A のクリック率が 3%、広告 B のクリック率が 1% だった場合、元の [均等にローテーション] の設定では、広告がほぼ均等に掲載され、平均クリック率は 2% 程度になります。一方、新しい設定では、ローテーション表示の期間が過ぎた後に広告 A の掲載頻度が増えるため、平均クリック率が 3% に近づき、クリック数が 50% 程度増えます。広告 B も頻度は減るものの引き続き掲載されるため、掲載効果を試すことができます(注: データは仮定のものです)。

続いて、皆様からのご意見に基づき、 2012 年 6 月 11 日より均等ローテーション設定に 2 つの修正を加えることになりましたのでお知らせします。

1 点目として、新しい広告のテスト期間を長めに確保できるよう、均等ローテーションの期間を 30 日から 90 日に延長します。

2 点目として、無期限の均等ローテーション配信をご希望の方向けに、5 月以降の変更を無効化する手段をご用意いたしました。ご希望の場合は、こちらのフォーム(英語)に下記の必要事項をご記入いただくか、アカウント担当者がいる場合は担当者にご連絡ください。

1) お客様 ID
※複数のアカウントを記入する場合はカンマで区切ってください。この無効化はアカウントごとに適用されます。
2) 主な URL
※それぞれのアカウントで使用されている主な URL をご記入ください。 1 つのアカウントで複数の URL を使用されている場合、各アカウントから 1 つずつで構いません。
3) メールアドレス
※申請頂いた内容に関して確認させていただきたい点がある場合は、ご連絡を差し上げる場合がございます。
4) 無効化を希望される理由
※この項目はオプションです。
ご記入後、[Submit] をクリックすると、申請内容をお送りいただけます。

なお、数週間様子を見て、変更の無効化を希望される方が多い場合は、AdWords の管理画面で直接無効化できる機能も追加してまいります。

Google では、広告ローテーションの機能を変更することで、ユーザーに質の高い広告を表示できると同時に、広告主様の掲載結果も向上できるものと確信しておりますが、広告主様ご自身に最適な方法を見極めて選択していただく自由と時間をご提供することも重要と考え、今回の修正を行う運びとなりました。広告主様のニーズに合ったソリューションを構築していくため、今後ともご意見をお寄せいただければ幸いです。

Karen Yao、上級プロダクト マネージャー

 現在 AdWords の広告のローテーションの設定には、[クリック重視で最適化]、[コンバージョン重視で最適化]、[ローテーション] の 3 つのオプションがあります。

このうち [ローテーション] は新しい広告をテストする際に役立ちますが、このオプションをいつまでも使用すると、広告の掲載結果を損ね、ユーザーに関連性の低い広告が表示される恐れがあります。

そこで、今週からこの [ローテーション] の機能を変更し、広告がローテーションで掲載される期間を、30 日間に限定することになりました。30 日が経過した後は、広告表示が最適化され、より多くのクリックが見込まれる広告が表示されるようになります。

また、広告グループの広告を追加、編集すると、その後最初の 30 日間は、その広告グループ内の広告が均等にローテーションで表示されます。

この変更は今週から実施されます。実施の時点で、過去 30 日以内に新たに追加、編集した広告がない広告グループでは、すぐに新たな広告のローテーションの仕組みが適用されます。それ以外の広告グループでは、最後に広告を追加、修正した日から 30 日が経過した時点で、この変更が適用されます。

この変更により、ユーザーに関連性の高い広告が表示されるようになると同時に、広告主様の広告掲載結果にも改善が見込まれます。この変更の詳細については、AdWords ヘルプセンター記事をご覧ください。