Posted by 小林哲男 アカウントプランナー

カタログ通販大手のニッセンは、パソコン、携帯電話を活用する EC サイトをいちはやく稼働しています。EC サイトでは、Google AdWords を導入。コンテンツターゲット、モバイル広告も活用し、新規顧客数が増加しました。マーケティング本部インターネット推進部 SEM チームマネージャーの遠藤昌宣氏、同じく SEM チームの松田直子氏に、インターネット広告の効果的な利用について、お話を伺いました。

 

EC サイトの拡充に伴い Google AdWords を活用した広告を展開
ECサイトの充実とともに、重要になるのがインターネットにおける広告展開。ニッセンでは、広告代理店と相談しながら、2003 年に Google AdWords の導入を決めました。

「Google AdWords の導入を決めたのは、検索というお客様の能動的な行動を CPA ( Cost Per Action )に結びつけやすいことです。また成果報酬型なので、費用効率も良いことですね。これは今でも大きなメリットと感じていることです」(遠藤氏)

Google AdWords の利用において重要なのは、キーワードの選定です。利用開始当初は 1,000 から 2,000 ワードだったのが、今では十数万ワードになっています。そのうち、運用対象は数万ワードです。

「社内情報、商品名、商品の属する分類、商品ランキング、店内で検索されるキーワード、Google 内の検索キーワード、サイズ名、色名など、あらゆる情報をベースに、社内や代理店と議論しながら決めていますね。いったん決めたら終わりではなく、季節や状況を判断しながら常に考えていく必用があります」(遠藤氏)


モバイル広告の導入で新規顧客数を大きく拡大
ニッセンでは、EC サイトにおける携帯電話の利用を他社に先駆けて導入。当初は、カタログを見た顧客が注文情報を入力するリモコン画面として、利用を開始しましたが、2006 年には ECサイトとして本格稼働しています。

「例えば、携帯電話からベッドを買われるお客様もいらっしゃいます。カタログ、パソコン、携帯電話、すべてのチャネルから同じ商品を買えるようにして、EC サイトとして完結させています。いち早い導入後、常にユーザビリティも工夫して、使いやすいサイトにしています」(遠藤氏)

検索結果や、Google AdWords を介して EC サイトを訪れるのは、圧倒的に新規利用者が多いとのこと。新規顧客を獲得すると同時に、売り上げに結びつけられるのが、EC サイトのメリットと遠藤氏は語ります。

「新規利用者の増加を表す指標として、伸長率があります。パソコンでは前年比百数十%、携帯電話では倍以上になることもありますね。内訳としては、検索と広告ネットワークが半々くらいです」(遠藤氏)

新規顧客の方にも、カタログが届けられます。カタログでじっくり選んで、携帯電話から注文したり、気になる商品を EC サイトで検索したりと、さまざまな方法でサービスを利用できるようになります。適切な顧客に対して、カタログを届けられることは、サービスの評価として重要です。また、カタログと携帯電話では利用者の年齢層にも違いがあり、利用者の層は広がっています。


コンテンツターゲット/プレースメントターゲットはアイデア次第で可能性が広がる
Google のコンテンツターゲットでは、企業や個人の運営するサイトやブログなど、商材と関連したキーワードを持つページに広告を表示できます。ニッセンで行われている様々な試みについて、松田氏に伺いました。

「商材とダイレクトに関連するキーワードがなくても、訪問ユーザー層と関連したページに出稿するプレースメントターゲットを試しています。例えば、占いに関するコンテンツに、女性向けの情報を掲載するなどの方法です」(松田氏)

この他、タレント名や家庭菜園など、対象の顧客が興味を持ちそうなページに注目しているとのこと。アイデア次第で可能性は広がります。

「費用の細かいコントロールができることもメリットですね。固定したメディアに出す広告と違って、試して効果がなければ、すぐに別のアイデアに切り替えられます」(松田氏)

さらに、ソーシャルメディアの広がりにより、コンテンツターゲットの効果が上がってきたと、松田氏は語ります。

「ブログや SNS では、ここ数年で著しくユーザー数が伸びています。そのため、広告表示数も増えて、クリック数の増加につながっていますね」(松田氏)

松田直子様
マーケティング本部
インターネット推進部
SEMチーム

社内の各チームと情報交換してアイデアを広げたい
ニッセンの社内では、商品カテゴリごとにチームを作る縦割りの構造になっています。マーケティング部は、これを横断するかたちで活動しています。

「定期的な戦略会議を開いています。その中で、この商品とこのキーワードが結びついていますといった報告をしています。逆に、キーワードについての提案がされることもありますね。今後は、各チームと今以上に密に情報を交換して、アイデアをどんどん取り入れたいと考えています」(遠藤氏)

EC サイトを成長させ続けるために、今後も常に新しいことを試していきたいと語る遠藤氏。細かいことの積み重ねで、少しずつ成長していくことに意味があるとのことです。

「会社の方針としては、今後も One to One を研ぎ澄まそうとしています。インターネットにより、はじめて One to One 広告を実現できるようになりましたが、まだまだ黎明期だと考えています。現在は Google AdWords を導入していますが、今後も Google さんから提案していただきながら、新しいサービスが登場すれば、積極的に導入したいと考えています」(遠藤氏)

遠藤昌宣様
マーケティング本部
インターネット推進部
SEMチームマネージャー

その他、AdWords の活用事例についてはこちらのページもご確認ください。