Posted by 水谷 嘉仁 プロダクスペシャリストチーム

このたび、新しい自動入札機能として拡張 CPC(クリック単価)をリリースすることになりました。この機能は、上限クリック単価を使用しているキャンペーンでの投資収益率(ROI)を向上させる目的で導入されたものです。拡張 CPC を使用すると、広告の表示の機会が得られるたびに推定コンバージョン率が算出され、上限クリック単価が自動的に調整されます。この推定コンバージョン率の算出には、キャンペーンの過去のコンバージョン トラッキング データが使用されます。この機能により、全体的なコンバージョン単価を引き上げることなくコンバージョン数を増やし、また、上限クリック単価の管理に費やす時間も削減できます。


仕組み
拡張 CPC の仕組みを説明するために、次のような例を見てみましょう。たとえば、模型飛行機のキットの販売にあたり、「模型飛行機」「模型飛行機 キット」「模型飛行機 作り方」というキーワードを設定したキャンペーンに対して拡張 CPC を有効にしたとします。また、各キーワードの上限クリック単価は 30 円に設定したとしましょう。これまでの履歴から「模型飛行機 キット」でのコンバージョン率が高かった場合、ユーザーがこのキーワードで検索すると、AdWords システムはこのオークションの上限クリック単価をたとえば 32 円に引き上げます。コンバージョンの可能性が非常に高い場合、拡張 CPC では上限クリック単価を最大 30 % 引き上げます。つまり、この場合に請求されるクリック単価は最大で 39 円になります。
一方、これより一般的な「模型飛行機」でのコンバージョン率が低かった場合、ユーザーがこのキーワードで検索すると、AdWords システムはこのオークションの上限クリック単価をたとえば 20 円に引き下げます。このように、コンバージョン データに基づいて入札単価を調整することによって、平均コンバージョン単価を引き上げることなく売り上げの増加に貢献できます。

拡張 CPC には、コンバージョンの可能性を予測する際にさまざまな要因を考慮するという独自の機能が備わっています。たとえば以下のような特徴があります。
  • Google ネットワークの検索パートナーやコンテンツ パートナーのサイトごとの過去のコンバージョン データに基づいて、入札単価を調整します。
  • キーワード内の単語(「キット」など)ごとに、どんな場合にコンバージョンにつながりやすいのかを認識し、ユーザーの検索クエリの一部にそのキーワードが含まれている場合「模型飛行機 キット 子供向け」など)の入札単価を調整します。
  • ユーザーの所在地、言語設定、ブラウザ、オペレーティング システムなどの属性を検出して、それらの属性によって広告のコンバージョンの可能性がどのように変化するのかを分析します。

開始方法
拡張 CPC を使用するには、まず、キャンペーンに対して コンバージョン トラッキング を有効にする必要があります。コンバージョン トラッキングを使用すると、拡張 CPC のような投資収益率を向上させる機能を利用できるようになるだけでなく、コンバージョン達成の頻度やコンバージョンに対するお支払い金額について有益な情報を入手することもできます。

既にコンバージョン トラッキングを使用している場合は、簡単に開始できます。キャンペーンの [設定] タブの [単価設定と予算] セクションに移動して、[拡張 CPC] の下にあるチェックボックスをオンにするだけです。

投資収益率の向上を目指すにあたって、拡張 CPC とコンバージョン オプティマイザーのどちらを使用すべきかをお悩みの場合は、これらのツールの違いについての よくある質問 をご覧ください。

拡張 CPC の詳細や、コンバージョン トラッキングを設定する手順 については、各リンク先をご覧ください。