Posted by 早乙女太郎 - インダストリーアナリスト リテール業界当


11 月後半になり、そろそろお正月の過ごし方を考える時期になってきました。日本のお正月の楽しみの一つといえばおせちですね。おせちに関する検索語句にもさまざまな傾向が見られます。今回は Google 検索語句の動向からいくつかのおせちに関するインサイトをご紹介します。


<おせちに関する検索語句の推移>


おせちだけの検索数はここ近年増加傾向にあります。2010 年と 2011 年に検索数が大幅に増加した後は緩やかに上昇し、2014 年度は前年比で +8% 増となっています。

デバイス別に見るとスマートフォンからの検索数が著しく増え、2014 年には初めてスマートフォンからの検索割合が 50% を超えました。






<おせち関連の検索語句>


2014 年の PC とスマートフォンからおせちに関する検索語句を見てみると、PC における検索では購入に関連する検索語句が 20 位以内に 10 つランクインしました。一方モバイルでは、4 つにとどまっています。PC で購入に関連する検索が多いことから、金額も高く選択肢も多いおせちでは消費者はじっくり腰をすえて購買を検討していると推測できます。

一方スマートフォンからの検索語句をみると、上位 20 位におせち料理の作り方および盛り付け方に関する検索が多く見られます。これは、生活者がおせちの準備または完成した料理を盛り付ける瞬間に検索を行っていると推測できます。このような検索行動は、Google が提唱する Micro-Moments*(生活者が意図を持って検索する瞬間)を表しているのではないでしょうか。

*Micro-Moments の詳細につきましては、こちらのリンクをご参照ください。




<上位検索語句数の週ごとの変化>


オンラインでの購入を代表する「おせち 通販」は 12 月 3 週まで続伸していることが分かります。オンラインでのおせち販売は予約だけではなく、年末の駆け込み需要にも対応していると考えられます。

自宅でおせちを作る際に、作り方を調べるために使用する検索語句「おせち レシピ」は 12 月 3 週目から急伸しています。人々がおせちを作らなくてはと思い始めるのはこの時期でしょうか。

作ったおせちをどのように盛り付けるかに関しても高い関心があることが判明しました。正月は親戚も数多く集まる機会であるため、親戚からの目線を気にしている人がある一定数いるのかもしれません。   




本調査より、生活者のおせちへの関心は年々増加しており、特におせち購入に関連する検索の山が 12 月後半になっていることがわかりました。おせちを販売する企業は、消費者がおせちを購入したいと思った瞬間に自社おせちをアピールできるよう、AdWords で Google へのさらなる広告出稿を検討してはいかがでしょうか。