Posted by パフォーマンス ソリューション エキスパート 水谷 嘉仁 /  第一広告営業本部 シニアアカウントマネージャー 中山 恵里加

 
     

複数のメディア運営事業を展開する株式会社ベンチャーリパブリックは、「消費者のための購買支援サービス」を理念に掲げ、「Travel.jp」や「Hotel.jp」などを運営。旅行商品データの掲載だけでなく、旅行ジャーナリスト、元旅行専門学校講師や旅行会社勤務経験者など、旅行に詳しい「目利き」を通すことでユーザーに質、量ともに充実した旅行情報を提供しています。


マルチスクリーン社会への対応

スマートフォンやタブレット、パソコンからテレビに至るまで、今日のメディアとの接点は、その 90% がスクリーンを通したものとなっています(Google 調べ)。このため企業側は、あらゆるプラットフォーム、あらゆるデバイスを通じて、消費者が企業との関わりを持つための接点を提供することで、より多くのエンゲージメントを引き出せます。

推定合計コンバージョンを利用すれば、昼間にスマートフォンで「航空券」と検索して、夕方に自宅のパソコンで「航空券」を購入する、というようなデバイスをまたいだコンバージョンを確認することが可能です。


導入の背景と施策

昨年から今年にかけて、同社サイトのインプレッション、クリック、コンバージョンのすべてにおいて、パソコンよりもスマートフォンの増加が顕著になっていました。このスマートフォンへのシフトに対応した入札強化を行うにあたり、これまでのラストクリック ベースの CPA (コンバージョン単価)入札調整ではなく、新たな KPI 設計が必要となりました。そこで、複数のデバイス(クロスデバイス)をまたがるコンバージョン数を算出する「推定合計コンバージョン」を導入し、新しい KPI を設定しました。そして、「Travel.jp」「Hotel.jp」 サイトは例年コンバージョンが伸び悩む傾向にある 3 月に、新しい KPI をベースにした入札強化を実施しました。

具体的な対策としては、「Travel.jp」では全キャンペーンの中でも主力キャンペーン(全体クリック数の 10% に相当するキャンペーン)に対して入札を強化。「Hotel.jp」は全体的にモバイルからのアクセス増加傾向が強いため全キャンペーンへの入札を強化しました。


導入後の成果

「Travel.jp」では、推定合計コンバーションをもとに入札単価を調整した注力キャンペーンはコンバージョンが 31% 増加し、その他キャンペーンのコンバーション減少分を補って余りある結果となりました。検索語句レポートでも、キャンペーン間の推定合計コンバーションの重複は見られず、オークション分析レポートでは、注力キャンペーンは主要競合に対しての上位表示の割合が 10% 改善されていました。

「Hotel.jp」では、入札強化した全キャンペーンの成果として、モバイルからのコンバーションが 90% 増加し、社内のトラッキングツールでも AdWords 以外のコンバージョンの増加が確認できました。(成果の数値は、2014 年 3 月導入前後 3 週間の比較)



Travel.jp 入札単価調整前後の成果 (*調整前を 100 として前後の比較)



Hotel.jp 入札単価調整前後の成果 (*調整前を 100 として前後の比較)



今後の展望

「推定合計コンバージョンにより、従来可視化が困難であったクロスデバイスでの投資効果をより正確に計測できるようになった事実は、マーケティング戦略に大きなインパクトを与えています。
今後は ACE(AdWords キャンペーン エクスペリメント)や入札戦略ツールも試み、クロスデバイスを考慮した、より最適な入札単価調整によって投資効果最大化を図りたいと思います。」 (トラベル事業部 マーケティンググループ シニアアソシエイト トウシ健太氏)


トラベル事業部 マーケティンググループ シニアアソシエイト トウシ健太氏


*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
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株式会社ベンチャーリパブリック
http://www.vrg.jp
旅行など消費者による購買活動の支援を目的としたメディア運営事業。「Travel.jp」や「Hotel.jp」など、複数のサイトを展開