[YouTube 動画広告効果調査結果] 通常プレロール / 選択プレロール(AdWords TrueView)それぞれの特徴を活かし、マーケティング目的や課題に応じたプロモーションを
2014年12月24日水曜日
Posted by マーケティング リサーチ マネジャー 多田 翼
YouTube には動画再生前のプレロール型広告として、通常プレロールと、動画が再生されてから一定時間経過後にスキップすることができる選択プレロール(AdWords TrueView)とがあります。
これまでこの 2 種類の広告効果検証はまだ十分に実施されておらず、それぞれの特徴を活かした使い方を提示できていないことが実情でした。そこで Google は、女性向け除毛クリームブランド 『Veet』 を展開するレキッドベンキーザー・ジャパン社と共に、この 2 つのプレロール動画広告において、ブランドへの効果がどのように異なるのか検証をおこないました。
*1 年代構成と YouTube 利用頻度で同質性を担保
*2 スクリーニング調査時に広告配信用の Cookie を付与
*3 フリークエンシー キャップは 2 回。動画広告のインプレッション・スキップ・視聴(15 秒完全視聴)を自動計測。対象は PC のみ(Mobile は対象外)
*4 完全視聴: 動画(15 秒)を最後まで視聴。Group 3 はスキップ/完全視聴者構成でウェイトバックし構築
なお、本調査はヴィート本キャンペーン(2014 年 5 月開始)による TVCM / WEB 広告 / 店頭施策などの外部要因を取り除くため、2014 年 4 月に配信実験調査として実施しました。 よって、通常プレロールと選択プレロール(TrueView)以外の広告の影響がない設計となっています。
また、効果の評価にあたっては、有意差検定(有意水準 10%)により有意であったポイント差を見ることで、広告効果を評価しています。 各指標の数値は基準となる Pre を 1.0 とし、通常プレロールと選択プレロール(TrueView)は相対値としています。
通常プレロール / 選択プレロール(TrueView)とも 2 回の視聴で商品認知が向上
まず、商品認知について広告接触前後で比較し、広告接触者グループは視聴回数別でも比較したところ、次のような結果となりました。
広告非接触と比べると、通常プレロール / TrueView ともに、2 回の視聴で商品に対する認知が高くなりました。
中でも通常プレロールの場合、TrueView(skip + 完全視聴)に比べ高い効果が見られました。また、2 回視聴については、通常プレロールの方は「なんとなく知っている」が高くなった一方、TrueView 完全視聴では「知っている」という回答が高く、それぞれ異なる傾向が見られました。
また、視聴前後のブランドイメージの変化を検証したところ、次のような結果となりました。
TrueView を自らスキップしなかった TrueView 完全視聴者は、ほぼ全ての回答において広告非接触者と比べ高く、「肌にやさしそう」の回答については TrueView skip + 完全視聴でも高くなっており、TrueView がメッセージ到達や商品イメージ理解に大きく貢献することがわかりました。
続いて今後の購入意向について検証したところ、次のような結果となりました。
「今後購入したいと思いますか」の問いに対し、「購入したいと思わない」と回答した割合は、通常プレロール / TrueView ともに広告非接触者に比べ 2 分の 1 以下となり、通常プレロール / TrueView に接触することで「購入したいと思わない」というネガティブな意向を減少させる効果が見られました。
動画広告には、視聴による有意な効果があり、さらに通常プレロールと TrueView にはそれぞれの特徴があることがわかりました。こうした効果や特徴を精密に把握することで、マーケティグ目的や課題に応じて使い分けることが望ましいと考えられます。
例えば、通常プレロールは TrueView に比べて商品認知を高める効果が高いことから、大々的な新商品告知が必要な時や、オフラインキャンペーンと連動した短期間の広告キャンペーンには通常プレロールを用い、商品認知者への訴求メッセージ到達を主目的とするキャンペーンの場合は、選択型の TrueView とするという方向性が考えられます。
また、この両方を組み合わせる場合は、TrueView でまず広告を配信し、広告視聴者・視聴者以外に対してそれぞれ異なるコミュニケーションをするというプランニングも検討することができます。例えば、TrueView 視聴者(課金対象者)のみのリマーケティング リストを作成し、そのリストに対してコンバージョンに結びつくクリエイティブを配信します。
そして、TrueView 視聴者を除外設定することで、TrueView 視聴者以外に通常プレロールで動画広告を配信します。通常プレロールでは、直接的な商品/サービスメッセージ訴求ではなく、カテゴリーニーズ掘り起こしや商品認知を訴求するクリエイティブで実施し、通常プレロールのメリットを活用することも検討できます。
レキッドベンキーザー・ジャパン株式会社
本社イギリスを基点に世界 60 カ国に事業所を置き、約 37,000 人の社員を有するグローバル企業で、「Health / Home / Hygiene - 健康 / 家庭 / 衛生」の分野に特化しており、消費財メーカーとしては、グローバルリーダーカンパニーの一つとされている。RB ジャパンは、日本法人として 2000 年より、世界で展開するパワーブランドはもちろん、日本のお客様の多様なニーズに応えた「フットケア・レッグケア」、「ホームケア」、「パーソナルケア」で強みを発揮している。
Veet
2005 年の日本上陸から、わずか 2 年で最盛期売上・シェア No.1 を達成。継続的な成長に 2007 年 9 月から 4 年連続年間シェア No.1 ブランドへと成長した、全世界の女性に愛用されているムダ毛処理の悩みに応えるブランド。
調査の対象としたキャンペーンの概要
[対象商品]
ヴィート ナチュラルズ 除毛クリーム(2014 年 2 月 10 日発売)
[キャンペーン期間と配信した広告]
配信期間: 2014 / 4 / 17〜4 / 27 の 11 日間
YouTube 動画広告: 通常プレロールと選択プレロール(TrueView、 5 秒後にスキップ可能)、フリークエンシー キャップはともに 2 回
https://www.youtube.com/watch?v=Ti17peEQw6g
* 本記事は、2014 年 6 月時点の情報をもとに構成しています。
YouTube には動画再生前のプレロール型広告として、通常プレロールと、動画が再生されてから一定時間経過後にスキップすることができる選択プレロール(AdWords TrueView)とがあります。
これまでこの 2 種類の広告効果検証はまだ十分に実施されておらず、それぞれの特徴を活かした使い方を提示できていないことが実情でした。そこで Google は、女性向け除毛クリームブランド 『Veet』 を展開するレキッドベンキーザー・ジャパン社と共に、この 2 つのプレロール動画広告において、ブランドへの効果がどのように異なるのか検証をおこないました。
[調査概要]
- 調査パネル内で広告配信実験を実施。調査パネルでは、広告のリーチを高精度で計測できるのみでなく、アンケート調査も実施可能。
- 通常プレロール接触者(Group 2)と選択プレロール(AdWords TrueView)接触者(Group 3)をランダムにグループ化
- 比較対象として広告接触をさせないプレグループ(Group 1、以下 Pre)を構築。広告接触グループと同質性を担保 *1
- TrueView グループ(Group 3)から広告完全視聴者のみを抽出し、TrueView 完全視聴者グループを別途構築(Group 4)
*1 年代構成と YouTube 利用頻度で同質性を担保
*2 スクリーニング調査時に広告配信用の Cookie を付与
*3 フリークエンシー キャップは 2 回。動画広告のインプレッション・スキップ・視聴(15 秒完全視聴)を自動計測。対象は PC のみ(Mobile は対象外)
*4 完全視聴: 動画(15 秒)を最後まで視聴。Group 3 はスキップ/完全視聴者構成でウェイトバックし構築
なお、本調査はヴィート本キャンペーン(2014 年 5 月開始)による TVCM / WEB 広告 / 店頭施策などの外部要因を取り除くため、2014 年 4 月に配信実験調査として実施しました。 よって、通常プレロールと選択プレロール(TrueView)以外の広告の影響がない設計となっています。
また、効果の評価にあたっては、有意差検定(有意水準 10%)により有意であったポイント差を見ることで、広告効果を評価しています。 各指標の数値は基準となる Pre を 1.0 とし、通常プレロールと選択プレロール(TrueView)は相対値としています。
通常プレロール / 選択プレロール(TrueView)とも 2 回の視聴で商品認知が向上
通常プレロールは認知、選択プレロールはブランド理解に大きな効果
まず、商品認知について広告接触前後で比較し、広告接触者グループは視聴回数別でも比較したところ、次のような結果となりました。
広告非接触と比べると、通常プレロール / TrueView ともに、2 回の視聴で商品に対する認知が高くなりました。
中でも通常プレロールの場合、TrueView(skip + 完全視聴)に比べ高い効果が見られました。また、2 回視聴については、通常プレロールの方は「なんとなく知っている」が高くなった一方、TrueView 完全視聴では「知っている」という回答が高く、それぞれ異なる傾向が見られました。
また、視聴前後のブランドイメージの変化を検証したところ、次のような結果となりました。
TrueView を自らスキップしなかった TrueView 完全視聴者は、ほぼ全ての回答において広告非接触者と比べ高く、「肌にやさしそう」の回答については TrueView skip + 完全視聴でも高くなっており、TrueView がメッセージ到達や商品イメージ理解に大きく貢献することがわかりました。
通常プレロール / 選択プレロール(TrueView)とも購入意向に対するネガティブイメージを低下させる
続いて今後の購入意向について検証したところ、次のような結果となりました。
「今後購入したいと思いますか」の問いに対し、「購入したいと思わない」と回答した割合は、通常プレロール / TrueView ともに広告非接触者に比べ 2 分の 1 以下となり、通常プレロール / TrueView に接触することで「購入したいと思わない」というネガティブな意向を減少させる効果が見られました。
YouTube 動画広告運用への提言
動画広告には、視聴による有意な効果があり、さらに通常プレロールと TrueView にはそれぞれの特徴があることがわかりました。こうした効果や特徴を精密に把握することで、マーケティグ目的や課題に応じて使い分けることが望ましいと考えられます。
例えば、通常プレロールは TrueView に比べて商品認知を高める効果が高いことから、大々的な新商品告知が必要な時や、オフラインキャンペーンと連動した短期間の広告キャンペーンには通常プレロールを用い、商品認知者への訴求メッセージ到達を主目的とするキャンペーンの場合は、選択型の TrueView とするという方向性が考えられます。
また、この両方を組み合わせる場合は、TrueView でまず広告を配信し、広告視聴者・視聴者以外に対してそれぞれ異なるコミュニケーションをするというプランニングも検討することができます。例えば、TrueView 視聴者(課金対象者)のみのリマーケティング リストを作成し、そのリストに対してコンバージョンに結びつくクリエイティブを配信します。
そして、TrueView 視聴者を除外設定することで、TrueView 視聴者以外に通常プレロールで動画広告を配信します。通常プレロールでは、直接的な商品/サービスメッセージ訴求ではなく、カテゴリーニーズ掘り起こしや商品認知を訴求するクリエイティブで実施し、通常プレロールのメリットを活用することも検討できます。
レキッドベンキーザー・ジャパン株式会社
本社イギリスを基点に世界 60 カ国に事業所を置き、約 37,000 人の社員を有するグローバル企業で、「Health / Home / Hygiene - 健康 / 家庭 / 衛生」の分野に特化しており、消費財メーカーとしては、グローバルリーダーカンパニーの一つとされている。RB ジャパンは、日本法人として 2000 年より、世界で展開するパワーブランドはもちろん、日本のお客様の多様なニーズに応えた「フットケア・レッグケア」、「ホームケア」、「パーソナルケア」で強みを発揮している。
Veet
2005 年の日本上陸から、わずか 2 年で最盛期売上・シェア No.1 を達成。継続的な成長に 2007 年 9 月から 4 年連続年間シェア No.1 ブランドへと成長した、全世界の女性に愛用されているムダ毛処理の悩みに応えるブランド。
調査の対象としたキャンペーンの概要
[対象商品]
ヴィート ナチュラルズ 除毛クリーム(2014 年 2 月 10 日発売)
[キャンペーン期間と配信した広告]
配信期間: 2014 / 4 / 17〜4 / 27 の 11 日間
YouTube 動画広告: 通常プレロールと選択プレロール(TrueView、 5 秒後にスキップ可能)、フリークエンシー キャップはともに 2 回
https://www.youtube.com/watch?v=Ti17peEQw6g
* 本記事は、2014 年 6 月時点の情報をもとに構成しています。