Posted by 香川 美菜 トラベル担当 インダストリーアナリスト

Google は本日、2015 年のゴールデンウィーク(以下 GW)に関する旅行業界検索キーワード動向を発表しました。5 月の GW に向け国内で旅行業界関連の検索キーワードがどのように検索されているか、検索トレンドをまとめました。



GW の情報収集

旅行関連全般では、GW との掛け合わせで「旅行」や、「お勧め」、「穴場」などの口コミリコメンドを求めた検索が多く、目的地が決まっていないなか、広く一般的な情報収集のための検索が多いことがうかがえます。

旅行関連全般
1
 旅行
2
 お勧め
3
 イベント
4
 穴場
5
 国内旅行
6
 キャンプ
7
 宿泊
8
 新幹線
9
 フェス
10
 海外旅行
*調査期間 2015 年 1 月 1 日〜 3 月 21 日
**GW(ゴールデンウィーク)と掛け合わされて検索されたキーワード



訪問先別ランキング

訪問先別では、国内を中心に近場が多く検索されています。海外はハワイ・グアム・台湾、国内は沖縄・北海道・京都など、旅行先として定番かつ人気の高い国・観光地が多く検索されています。




海外+国内
海外のみ
国内のみ
1
沖縄 ハワイ 沖縄
2
北海道 グアム 北海道
3
ハワイ 台湾 京都
4
京都 韓国 ディズニーランド
5
ディズニーランド 中国 九州
6
グアム シンガポール 東京
7
台湾 香港 大阪
8
九州 セブ島 ユニバーサルスタジオ
9
東京 オーストラリア 屋久島
10
韓国 パラオ 箱根
*調査期間 2015 年 1 月 1 日〜 3 月 21 日
**GW(ゴールデンウィーク)と掛け合わされて検索されたキーワード



急上昇ランキング
対昨年比の急上昇でみると、北陸新幹線の開業で盛り上がっている「北陸」と「金沢」の伸び率が高いことがうかがえます。

他にも年初に積極的なプロモーションを打ち出しているパリ、昨年羽田発着便が就航したセブの検索量も増加しています。


訪問地別成長率 (海外+国内)
1
北陸
2
金沢
3
ユニバーサルスタジオ 
4
パリ
5
グアム
6
台湾
7
淡路島
8
セブ島
9
タイ
10
ハワイ
*調査期間 2015 年 1 月 1 日〜 3 月 21 日
**GW(ゴールデンウィーク)と掛け合わされて検索されたキーワード



多様化する旅行

近年、旅行先での人や自然、伝統文化を体験を取り入れた新しいタイプの旅行(ニューツーリズム)が創出されるなど、旅行の形態が多様化しています。これらは地域活性化に繋がる旅行形態として、観光庁などの国の機関も観光立国に向けた取り組みの一環として振興を図っています。

新形態の一つとして「ツーリズム」関連の検索ランキングを見ると、グリーン・エコなど早期に創出されたツーリズムだけでなく、海外で盛んな医療ツーリズム、オリンピック関連で注目を集めるスポーツツーリズムも多く検索されています。

特に医療ツーリズムヘルスツーリズムユニバーサルツーリズムは、成長率でもツーリズム関連検索の平均値より高く、注目度が高まりつつあることがうかがえます。

ランキング 10 位外でしたが、11 位に栃木県でグリーン・ツーリズムを手がける株式会社「大田原ツーリズム*」がランクインしていました。このように、単独で注目を集めるツーリズム団体が出てきているようです。

*大田原ツーリズムは、栃木県大田原市にあるグリーンツーリズムが体験できる施設


ツーリズム
1
グリーン ツーリズム
2
エコ ツーリズム 
3
医療 ツーリズム ↑
4
スポーツ ツーリズム 
5
ヘルス ツーリズム ↑
6
コンテンツ ツーリズム
7
ニュー ツーリズム
8
酒蔵 ツーリズム
9
ユニバーサル ツーリズム ↑
10
アグリ ツーリズム ↑
*調査期間 2015 年 1 月 1 日〜 3 月 21 日
*↑は特に成長率が高いもの



タイムリーな興味・関心がわかる検索動向

旅行シーズンのカレンダーに検索量は連動し、ピークの時期や大まかな検索トレンド(主要な訪問先の検索など)は例年同じ傾向が見られます。(図 1

旅行関連全般で見ると、GW 前の時期では国内旅行は 2 月および 3 月と 2 回ピークがある一方、海外旅行は 2 月末がピークとなっています。

GW 関連のみをみると、海外旅行は 1 月早期の段階から検索される一方、国内旅行は徐々に検索量が増え GW 直前 4 月にピークになることがわかります。(図 2

このように例年同じ傾向が見られる一方で、急上昇ランキングからわかるとおり、消費者の興味・関心は刻々と変化しています。








消費者の検索行動は旅行するタイミングよりも早期に起こるため、定期的に消費者の検索トレンドを分析、いち早く把握し、マーケティング活動につなげていくことが重要です。こうした検索動向の分析には、Google の無料オンラインツール、Google トレンド(http://www.google.co.jp/trends/)をぜひご活用下さい。