Stuart Spiteri アジア太平洋地域 プラットフォーム部門 ディレクター

今や数十万もの広告主がビジネス拡大のために検索連動型広告を利用しています。検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに的確に関連した広告を検索結果画面に表示するテキスト形式の広告は、十年近くの技術革新を経て、ビジネスと顧客との接点を提供するオープンなプラットフォームとして確立されています。

今では、画像や映像、インタラクティブ広告などのディスプレイ広告を目にすることも増えてきました。検索連動型広告と同様、ユーザーに興味を抱いている分野の製品やサービス、アイデアの情報を提供します。また、広告主にとってディスプレイ広告は認知と売り上げの拡大に必要不可欠です。ウェブサイトの運営者やオンライン媒体社にとっては、ユーザーが利用するオンラインコンテンツやウェブサービスの運用資金を生みます。

しかし、多数のディスプレイ広告のフォーマットが存在し、膨大なウェブサイトの選択肢があるなかで、広告主がディスプレイ広告キャンペーンを企画・管理するには相当な時間が必要となります。この煩雑性のため、多くの広告主はディスプレイ広告に手を出しあぐねているか、もしくは限られた範囲で諦めてしまっています。

一方で、パブリッシャーの中には 80 %もの広告枠の余剰を抱えているものもあります。販売した広告枠についても、莫大な数の広告主とキャンペーンの管理に追われています。

Google は、より優れた技術の上に作られた優れたシステムが、ディスプレイ広告市場全体のパイを拡大し、全員にとってのメリットをもたらすことができると信じています。

Google のディスプレイ広告へのアプローチの 3 原則は以下の通りです:

1.ディスプレイ広告の売買システムの簡素化
DoubleClick 広告製品は、広告主及び媒体が数千にも及ぶサイトに渡る広告キャンペーンや広告フォーマットの管理を容易にします。

2.広告主や代理店が測定できる効果の明示
Google ディスプレイネットワークと YouTube 全体にディスプレイ広告キャンペーンを展開することができるよう、新しい機能を追加しています。また、広告の効果を測定できる指標とレポーティング技術の開発を続けています。

3.エコシステムの開放
検索連動型広告同様に、ディスプレイ広告もオープンで手軽なものにしたいと考えています。

Google はこれら 3 原則を実践できるように取り組んできました。そして本日、DoubleClick Ad Exchange を発表し、参加者全員にとってオープンなディスプレイ広告のエコシステムを作るために前進することができることを嬉しく思います。DoubleClick Ad Exchange はオンライン媒体と広告ネットワーク・代理店ネットワークの間のディスプレイ広告枠の売買がリアルタイムで取引できるマーケットプレイスです。

媒体と広告ネットワークは大量の広告と広告枠を管理しています。リアルタイム入札で価格設定が行えるオープンマーケットプレイスで(メディアを購入する)バイヤーと(広告を販売する)セラー(オンライン媒体社)をつなげることで、Ad Exchange はディスプレイ広告や広告枠をより効率的に、より容易にインターネット上で割り当て・展開することができます。これにより広告主の ROI を高め、媒体のオンラインコンテンツによる収益の最適化を図ることができます。

AdWords の広告主は既存の AdWords 同様のインターフェースを使用して Ad Exchange 内のサイトに広告を出稿することができるようになります。つまり、より質の高いサイトに広告を出稿することができるということになります。同様に、Ad Exchange はまた、AdSense 媒体により多くの、そしてより質の高いディスプレイ広告の広告主との取引の機会を提供します。

ディスプレイ広告市場全体のシェアを拡大することは、広告主、媒体、最終的にはユーザーのインターネットでの体験をより良いものにすると信じています。DoubleClick Ad Exchange は、よりオープンなマーケットプレイスの創出に貢献し、また、そのビジョンの達成に向けての確実な一歩となります。