Posted by 難波美和 AdWords サポート チーム

先日の本ブログでもご紹介した通り、Google 公式フォーラムでは、豊富な知識と経験を元に特に目立った貢献をして下さっているメンバーの方々をトップレベル ユーザーと呼んでいます。

この度 AdWords フォーラムでは、新たに里村仁士さんをトップレベル ユーザーとしてお迎えすることになりました。

そこで、里村さんに加え、小西一星さん、鷲見貴人さん、藤原彰二さん、鳴海拓也さんの計 5 名のトップレベル ユーザーの皆様にお集まりいただき、AdWords やフォーラムについてお話しいただきました。

5 名の方々の詳しいプロフィールについてはこちらをご覧ください。



「周りに聞く人がいない分、自分で情報を収集しに行っていました。フォーラムで質問をしたこともあります。」(里村さん)

-- AdWords を始めた当初のことを教えて下さい。

鷲見さん:2004 年頃だったと思うのですが、そのとき僕は海外で仕事をしていました。渡された本やその著者のブログとか、英語版のフォーラムを見ながらやっていました。

小西さん:僕は 2008 年くらいです。広告代理店を経て、独立しました。

鳴海さん:2006 〜 2007 年くらいになるんですが、自分でサイト作ったりしていたのがきっかけでした。その後広告代理店で 5 年くらい働いて、独立しました。

-- 当時、周囲に AdWords 運用者はいましたか?

藤原さん:僕は代理店に勤めていましたが、2007 年当時、AdWords の運用についてのノウハウは確立していなかったので、良いチャンスだと思って取り組んでいました。

里村さん:2011 年の 2 〜 3 月頃に始めて、最初は 1 人だけで手探りの中やっていました。周りに聞く人がいない分、自分で情報を収集しに行っていました。当初は電話サポート*もなかったので、ブログを拝見したりとか、自分でフォーラムに書き込んで鷲見さんに答えていただいた時期もありました。

*電話サポートは 2011 年 7 月開始


「キーワードと広告文とグループ分けに全力を注ぎ、仮説を立てて検証できるようにしておく。新しい機能が登場しても、基礎の重要性は変わらない。」(小西さん)

-- 今より情報もサポートも少なかった時代に AdWords を始め、苦労されたこともあるかと思います。そんな皆様から、今 AdWords を学んでいる方へのメッセージをお願いします。

鳴海さん:単純に大変だと思います。僕らが始めた頃にはリマーケティングなんてなかったし、スマホもなかったし。

鷲見さん:でも、やらないと分からないよね。やりながら、つまづいたら調べて。

小西さん:個人的には、AdWords 特有の機能のことを最初から深く考えなくてもいいと思います。僕もはじめ、マッチタイプも全然理解せずにやってたんですよ。全部部分一致にしたりして。

あと、コンバージョンのカウントが、クリックした日につくって知らなくて。2 週間後に見直したらコンバージョン数が増えていて驚いたこともありました。

でも、キーワードと、グルーピングと、広告は、最初からすごく気にしていました。1 か月位かけて作ってましたし。それが結果に結びつくのは、昔も今もあまり変わらなくて。

藤原さん:結局、その方が品質スコアも上がりますからね。

鷲見さん:最初から完璧に作り込んで、100 点にしてからスタートする、というのはありえない。

小西さん:仮説をしっかり立てるのが大事だと思います。失敗した時や成功した時にその要因を分析できるようにしておいて、改善につなげられることが一番大事だと思うんですよね。

里村さん:あと今は AdWords ヘルプ以外にもビジュアルナビ*とか、わかりやすいサイトもありますし、電話サポートでも丁寧に答えてもらえるので、どんどん活用していただくとよいと思います。

*ビジュアルナビ: 日本のサポート チームによる運用サポートサイト


「情報をウェブ上にストックし、海外と日本の情報量の差を埋めたかった。その手段は、自分のブログでなくてもよかった。」(鷲見さん)

-- フォーラムへの参加はボランティアですが、ここにいる皆様は多くの時間を割いて回答して下さっています。フォーラムで投稿するようになった経緯や、回答を続けている理由を教えて下さい。

鷲見さん:帰国したら日本にはあまり情報がなかったので、自分のメモ帳がわりにブログを始めました。海外との情報量の差を埋めたい一心で書いていたので、それが自分のブログじゃなくても何でもよくて。

フォーラムはたまたま見つけたのですが、回答がないものも多くて。それに回答して、ウェブ上に情報をストックしていけば効率がいいと思って使い始めました。

それから「ありがとう」がだんだん嬉しくなってきて。「うまくいくようになりました、ありがとうございます」という声がモチベーションだった気がする。

小西さん:僕は鷲見さんに誘われて始めました。もともと勉強会をやっていたので、その延長線上というか。まだ自分がやっていないビジネスの話も聞けて、自分の勉強にもなるので。

鳴海さん:僕が知ったのは、検索エンジン経由なんですよ。分からないことがあって、検索していたら、フォーラムを見つけて。アウトプットしたら勉強にもなるだろうと思って始めました。

藤原さん:僕は一度経営側に回っていたので、管理画面を触る時間が減っていました。エンハンスト キャンペーンが出てきて、一から勉強し直したいということもあって、回答し始めました。サンフランシスコに行きたいのもありましたけど。

鳴海さん:僕もそれはありました。

      
秋にカリフォルニア本社で行われたイベントに参加する藤原さん(左)と鳴海さん(右)

里村さん:僕はトップレベル ユーザーを目指そうと思ったときには、そのイベントの存在は知らなかったんですよ。

答えていくうちに、「助かりました、ありがとうございます」というコメントや、ベストアンサーを頂けるようになり、これはやりがいがあるなと。



「教える人、回答する人、見る人と分かれるのではなくて、回答する側に回っている人も、もっと無邪気に質問をすればよいと思う。」(藤原さん)

-- フォーラムの参加者や、トップレベル ユーザープログラムに関心がある方へのメッセージをお願いします。

鳴海さん:僕もフォーラムを見て勉強した方なので、質問したい人の気持ちもわかってるつもりなんですよ。なので、どんどん書いてほしいっていう気持ちはありますね。

藤原さん:もっと無邪気に質問をしてもらっていいと思う。無邪気に質問をする人が、気づいたら最終的に質問を受ける側になりましたっていうケースがもっと増えればいい。海外のフォーラムでは、答える人も質問してますよね。

鷲見さん:してるね。(日本では)教える側は質問しちゃいけない雰囲気があるよね。

鳴海さん:正直、僕らも分からないことはありますよね。

小西さん:日本だと、オンラインとなるとみんな構えるし、変なことを言ってはけない、聞いてはいけないとみんな思ってしまう。そんなに意識しないで、すっと投稿してみると、大したことないって分かるので、最初の一回目を臆せずやってみたらいいんじゃないかなと。

鷲見さん:もっと気軽に入ってきたらいいよね、回答する人も。

「トップレベル ユーザーに向いているのは、ただ知識があるだけではなくて、AdWords が好きな人。」(鳴海さん)

小西さん:トップレベル ユーザーになるかどうかに関わらず、フォーラムで投稿したり回答したりすると、勉強になると思います。

藤原さん:共通認識は皆さん、勉強になるっていう話ですよね。

鳴海さん:継続的に投稿しなくちゃいけないじゃないですか、トップレベル ユーザーになろうと思ったら。ただ知識があるだけじゃだめだと思うんですよ。ボランティアだし、AdWords が好きじゃなきゃ、だめだと思うんですよね。


トップレベル ユーザーの皆さま、ありがとうございました。

フォーラムではこの後、この 5 名の方々に順番に 2013 年を振り返っていただく連載を予定しています。

2013 年 12 月 20 日追記

トップレベル ユーザーの方々による、「2013 年を振り返る」連載が始まりました。
第 1 弾 : 小西一星さん「運用に関する意識の変化が起きた
第 2 弾 : 里村仁士さん「利便性・戦略性の向上、そして初心。
第 3 弾 : 鷲見貴人さん「新しい機能が導入されても本質は変わらない
第 4 弾 : 藤原彰二さん「「ターゲティングの方法」「自動化」「配信枠のリッチ化」
第 5 弾 : 鳴海拓也さん「時代の流れにうまく乗ることも大事と改めて気づいた1年
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