Posted by 山本 光 アカウントストラテジスト

検索連動型広告の優れた広告テキスト作成のポイントは、AdWords をご活用の広告主様に徐々に浸透してきているように感じています。様々なポイントがあるとは思いますが、例えば「広告テキストのタイトル内に、ユーザーが検索するキーワードを含める」などは、広く知られているテクニックかと思います。広告テキストに対するユーザーの視認性が高まり、クリック率(以下、CTR = Click Through Rate) が高まる傾向にあります。

しかし、私が日々ご提案申し上げているさまざまなお客様のキャンペーンを見ていると、上記にあげたテクニックだけではなく、広告テキストの CTR の変化には、実にさまざまな要因があるように見受けられます。テクニカルな要因も重要ではありますが、何よりユーザーが検索するキーワードに込められた意図をより深く理解し、対策を練ることによって、現状より多くの CTR を得ることも夢ではないかもしれません。

よって今回から、Google AdWords をご利用のお客様に注目して「突出して高い CTR を持つ広告」をピックアップし、それらが「なぜ CTR が高いのか?」を調べ、シリーズ化して結果をご報告していきたいと思いますので、よろしくお付き合いください。

まず、あらゆる条件ではとりとめもなくなってしまうため、本投稿の方向性について以下のように定義します。

キーワードは、一般名詞のトップクエリ
ここでは「日本」「ウィキペディア」など人名やそれ以外に存在しない特定の対象を表す固有名詞ではなく、「アルバイト」「中古車」「保険」「転職」などのような、検索数が非常に多い普通名詞、一般名詞のキーワードが対象です。アカウント全体の成果において、これらのキーワードの運用改善は、特に大きな影響があると予測されます。

ゴールは、CTR の最大化
CTR が上がっても、それが獲得(コンバージョン)に繋がらなければ意味が無いとお考えになる広告主様は多いと思いますが、まずはコンバージョン最大化の一つ手前のステップとして、CTR をどのように最大化するかに着目していただければと思います。

前置きは以上です。では、早速見ていきましょう。

まずは、以下のグラフをご覧下さい。あるキーワードの検索結果に掲載された広告の 1位~ 10 位の CTR 例です。※考え方をお伝えする為のグラフですので、実際の数値とは若干異なります。

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この例をみた場合ですが、1 位と 6 位の広告主様の CTR が突出して高くなっています。1 位の広告主様は 2 位の広告主様の 2 倍以上の CTR があるのは普通かと思いますが、着目すべき点として、6 位の広告主様が 2 位~ 5 位の広告主様よりも CTR が高い状況でした。特に検索結果の上のスペース、俗に言うプレミアムポジションに位置することが多いはずの 2 位、3 位の広告主様よりも高い CTR を得ているのは、特筆すべき点かと思います。

当然、検索ユーザーのニーズや広告原稿での訴求内容にそれぞれ差があるので、一概には申し上げられませんが、それでもこの圧倒的な差を説明する材料とは考えにくい状況であったため、ある調査機関が行っていた該当の業界における「ブランドランキング調査」を参照した所、あらゆる評価項目において、1 位と 6 位の広告主様が、他広告主様に大差をつけており、ランキングの 1 位と 2 位をそれぞれ飾っていることが分かりました。

実際、このような例は他にも多くあります。強力なブランドは、多少の広告訴求の違いをものともせず、多くのユーザーのクリックを集めるパワーがあると言っても過言ではないかと思います。検索連動型広告においても、ブランド力は、非常に重要であることがお分かりいただけるかと思います。

「では、われわれはまずブランド力をつけてから、検索連動型に望まなければいけないのか」ということが、結論かと言うとそうではありません。必ずしもブランド力があることが、常に優位に立てる要因となるわけではありませんので、次回はその辺りを整理しつつ、更に分析をしてみたいと思います。

続きます!